日本では社会現象となっている映画「君の名は。」 タイでも公開されるやいなや、世間の話題をさらっている
日本で記録的ヒットを続けているアニメ映画「君の名は。」が、今月10日、タイでも公開された。
公開前より大注目を集め、公開当日、各映画館は満員御礼。
初日のチケットが完売した日本アニメは前例がないという。
配給会社のメジャー・シネプレックスは、同映画の初日の興行収入は341万バーツで、同日公開したハリウッド映画「インフェルノ」の281万バーツを上回り、観客動員数1位を獲得したと発表。
また、映画レビュー誌「Flickz」が14日、明らかにしたところによると、公開後4日間(10〜13日)の売上トップは「君の名は。
」で、興行収入は2304万バーツに上ったことがわかった。
さらに同映画の主題歌及びサウンドトラックは、iTunesの国内シングル・アルバム両ランキングで1位を独占している。
当初この映画は、バンコク都内とその近郊でのみ上映予定だった。
しかし、地方の映画ファンから不満が続出。
署名支援サイト「Change.org」を通じ、「君の名は。
」の全国上映を訴えた。
これを受け、メジャー・シネプレックスは限定としていた上映エリアを拡大し、地方の主な系列映画館でも上映すると決定した。
では「君の名は。
」がなぜ、これほどまでにタイで人気が出たのか? もともと試写会の段階から同映画の評価は高く、レビューでは軒並み10点満点を記録。
SNSでは作品に対する話題が飛び交い、口コミでも広がるなど、盛り上がりを見せていた。
さらに、監督・脚本を担当した新海誠氏は、タイの日本アニメファンの間では知らない人がいないほど有名な人物。
「ほしのこえ」「秒速5センチワールド」「言の葉の庭」など、“新海ワールド”とも言われる緻密で美しい風景描写と、独特のストーリーに、多くのタイ人も魅せられているという。
また、タイ人のアニメに対する考え方に変化が起きていることも大きい。
かつて、タイ人にとってアニメとは“子どもが観るもの”とされていた。
しかし、日本のアニメのクオリティの高さが浸透するにつれ、今ではアニメは、「大人も観るもの」という認識が広まってきた。
今回の「君の名は。
」のヒットで、日本のアニメがタイに新たなうねりを生み出したことは、間違いないだろう。