経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”をトピックで紹介
新試験塔と新工場を建設 R&Dセンターとの連携も強化
三菱電機
タイのエレベーター市場で約3割のシェアを持つ三菱電機の現地完全子会社「三菱エレベータ・アジア(AMEC)」は、東部チョンブリー県アマタナコン工業団地内にある同社の敷地内に新たにエレベータの稼動実験などを行うための試験塔と生産工場を1棟ずつ新設する方針を決め、このほど着手した。新工場は2016年5月、新試験塔は同12月の稼動開始を目指す。
同社は昨年10月、タイ法人内に開発研究検証を行う「R&Dセンター」を設置。タイを拠点に、世界各地のニーズにマッチした昇降機の研究開発を開始した。新興国を中心とした海外市場には主力機種「NEXIEZ(ネクシーズ)」を投入しているが、制御のあり方は各地の需要や法制度に応じて個別に対応が必要。このため、R&Dセンターとの連携を強化した新たな生産管理体制の構築が求められていた。
今回の総投資額は7億1,000万バーツ(約22億円)を見込む。新工場は鉄骨3階建ての延床面積は1万4400㎡。制御機器を含むエレベータ機器類を生産し、これによりAMECの年生産能力は現状の1.5倍となる約2万台に達する見通し。一方、新試験塔は鉄骨造りの高さ59メートル。14階建てに相当する。ここで、開発されたエレベータ機器などの実証実験等を行う。
このほか、これまで日本から輸入していた部品の一部を現地調達に切り替えるなどコスト削減やリードタイムの短縮にも対応していく方針。米オーチスやスイスが本拠のシンドラーといったライバル他社との差別化も視野に入れ、対抗していくことにする。AMECは1991年設立。タイを含む東南アジアや中東など世界90ヵ国以上を対象に、エレベータの生産や販売を行っている。
4/21 タイ・ミャンマー間の陸送混載便開始
南海通運
総合物流の南海通運(大阪府)がタイのバンコクから隣国ミャンマー最大の都市ヤンゴンに向けた陸路による混載便の運行を開始したことが21日、明らかになった。両国の事業所間を3~4日で結ぶ。運賃も船による混載便よりも安価に抑えることに成功した。小ロットにも対応しており、中小企業のニーズにも配慮した。同社はミャンマーに物流子会社を設立、6年にわたって実証実験を繰り返してきた。その結果、サービス体制が構築できたとして運行開始に踏み切った。
4/21 タイ法人がミャンマー発電所で合意
東洋エンジニアリング
プラント建設を手掛ける東洋エンジニアリング(千葉県)のタイ関連会社TTCL(旧トーヨー・タイ)が、ミャンマー東部モン州で超々臨界圧の石炭火力発電所を建設するための合意書(MOA)をミャンマー電力省との間で締結したことが21日、明らかになった。施設は2基で構成し、総発電能力は同国最大の1280メガワットを予定。来年にも着工し、うち1基は3年後の運用を目指す。石炭は輸入で賄う方針で、そのための深海港も確保していく方針。外資の誘致を進めるミャンマーだが、電力不足は深刻で、早期の対策が求められていた。
4/22 ネット広告管理の現法を設立
SBIマイクロアド
インターネット広告の管理などを行うマイクロアド(東京都)は22日までに、タイ市場でネット広告の管理プラットフォーム事業を行うための現地法人「マイクロアド(タイランド)」を設立した。主力のプラットフォーム「マイクロアド・ブレード」を提供、初年度で導入300社、売上高1億円を目指す。タイ市場でのネット広告需要が増え、広告主や代理店からの問い合わせや発注が増えたことから現地での対応が必要と判断した。同社はこれまでに、アジアを中心に10の国と地域に進出している。