【タイ進出動向】住友電気工業、タイ交通機器メーカーと協業合意 他

経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”をトピックで紹介。今週は、住友電気工業、タイ交通機器メーカーと協業合意のニュース他3本。

渋滞解消に向けたシステム構築を。タイ交通機器メーカーと協業合意
住友電気工業

タイの交通機器メーカーGenius社との協業合意。調印式の様子(HPから)

タイの交通機器メーカーGenius社との協業合意。調印式の様子(HPから)

 

深刻で慢性的な渋滞の続くタイの首都バンコクの交通問題を解消しようと、大手非鉄金属メーカーの住友電気工業(大阪市)が、道路上に設置された車両感知器から得られた交通量データなどを解析して管理する新たな交通管制システムの構築を目指す取り組みを続けている。9月14日には、長年に渡りタイで信号機や制御機、掲示板といった交通管制機器の製造・販売・保守事業を行ってきたGenius Traffic System Co., Ltd.とシステムの構築に向けた協業合意書が締結されたことが発表され、また一歩、環境が整った。交通情報の一元的管理を行うことで信号機の赤・青の適切なタイミングを自動計算することが可能となり、渋滞の低減、安全性の向上、温室効果ガス排出の削減も進むとしている。そのための「交通管制センター」開設に向けたタイ政府や地方行政当局への働きかけも強めていく方針だ。
住友電工は社内に交通管制システムを専門に担当する情報通信部門を抱えている。車の交通量データからリアルタイムで信号機の切り替えを制御するシステムは高い評価を受け、これまで国内各地で採り入れられてきた。近年は、海外からの問い合わせも相次ぐようになり、これまでタイやミャンマーなどで社会実験が繰り返し行われてきた。今年8月には、こうした取り組みが独立行政法人国際協力機構(JICA)が公募した「開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業」に採択されるところとなり、システム構築の気運が一気に高まり今回の協業合意となった。
システムが長期にわたり、その機能や性能を維持するためには、膨大な交通データと適正な管理システムが必要となる。住友電工では、こうしたデータの収集を行いながら、タイの交通現場に最も相応しいシステムを構築していきたいとしている。


 

9/14 バンコクグラスFCとパートナーシップ契約締結
ヤンマー

船舶機器や農機器を製造販売するヤンマー(大阪市)は14日、サッカーのタイプレミアリーグ(1部)バンコクグラスFC(パトゥムターニー県)とパートナーシップ契約を締結したと発表した。農業分野を中心に同社がこれまで展開してきた人間の暮らしやを豊かさに向けての取り組みを、サッカーを通じてタイの人々にも知ってもらい、ヤンマーブランドへの親しみを増していくのが狙い。日本のJリーグでメインスポンサーを務めるセレッソ大阪は2012年からサッカー選手の育成分野でバンコクグラスと業務提携をしており、こうした縁も判断の一つとなった。


 

9/16 タイ連結子会社を完全子会社化
上村工業

めっき加工薬品から機械、管理装置までを一貫して手掛ける上村工業(大阪市)は16日までに、パトゥムターニー県ナワナコン工業団地にある連結子会社の表面処理加工業Sum Hitechs Co., Ltd.を完全子会社化する方針を決めた。全株式のうち83.65%を実質保有していたが、残り全てをタイのThai Stanley Electric社から追加取得する。競争が激しくなるなど経営環境が変化したことから、迅速かつ的確な対応を行っていくためには一層の連携が必要と判断した。Sum Hitechs社は1987年に設立。自動車及び家電部品、プリント基板のめっき加工などを得意としている。


 

9/17 PTT及び豊田通商とポリオール協業事業の検討開始
三洋化成工業

総合化学メーカーの三洋化成工業(京都市)は17日までに、タイ石油公社(PTT)の子会社及び豊田通商と共同で、発泡ポリウレタンの原料となるポリオールの製造販売を行うため合弁会社をタイ国内に設立する方向で検討を始めたことを明らかにした。そのための覚書をすでに締結。2016年後半をめどに事業化の最終判断を行う。工場の候補地としてラヨーン県を予定。19年中には製造能力13万トンの工場を完成させたいとしている。PTTの持つ原材料調達能力と、豊田通商の販売物流網を組み合わせることで相乗効果が発揮できると判断した。ポリオールは自動車向けシート材などの原料となる。

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