経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”をトピックで紹介。今週は、昭文社、訪日タイ人向けキャンペーンを実施のニュース他4本。
訪日タイ人向けキャンペーンを実施中。タイ航空、レンタルWi-Fiと共同で
昭文社
旅行ガイドブックや地図の出版を手掛ける昭文社(東京都)は、同社が開発した訪日外国人観光客向けスマートフォン無料アプリ「DiGJAPAN!」のタイ語版の利用者増を図るため、タイ国際航空並びにタイの日系Wi-Fiレンタル会社バンコク・サムライと共同でキャンペーンを実施。タイ航空の利用者に対し「DiGJAPAN!」の利用を呼びかけるほか、バンコク・サムライが提供する「SAMURAI WiFi」のレンタル料を最初の4日間まで通常の半額(1日100バーツ)で提供するサービスを実施している。10月31日まで。
航空券を申し込むためのタイ航空ウェブサイトのトップページや、予約確認のために送信するメールに専用バナーを掲載しているほか、同航空の公式LINEアカウントでも「DiGJAPAN!」を紹介。また、タイ国内の主要10ヵ所にあるチケットカウンターでも紹介チラシを配布するなどしている。さらに、月間2万台に及ぶ「SAMURAI WiFi」のレンタルケースの中にもチラシを同梱し、利用を呼びかけている。
「DiGJAPAN!」は日本の文化や観光情報を発信するための専用アプリ。タイ語版のほか、英語、中国語、韓国語、台湾語に対応している。「まっぷる」や「ことりっぷ」などの出版で培ってきた同社の編集スキルと豊富な情報を、外国人でもわかりやすく利用できるように提供している。現在の情報の収録エリアは、札幌、東京、横浜、京都、大阪、神戸、福岡で、今後も増やしていく予定。ダウンロード数は全世界で10万を突破。英語圏に向けたfacebookページの「いいね!」も74万に達している。
日本政府観光局によると、2014年の訪日タイ人は前年比45%増の約66万人。今年も堅調に推移しており、大幅な伸びが期待されている。昭文社ではタイを訪日インバウンド事業の最重点国と位置づけ、「DiGJAPAN!」の普及とともにタイ人観光客を誘致したい日本各地の自治体や企業などとも連動しながら、各種プロモーションを展開する考えだ。
6/22 タイ家具大手と合弁会社設立
イトーキ
オフィス向け事務用品・各種設備機器などのイトーキ(大阪市)は22日までに、タイの大手家具メーカー、モダンフォーム社などと合弁で、バンコクにオフィス家具や設備機器などを販売するための新会社を設立した。7月1日から営業を開始する。新会社は「イトーキ・モダンフォーム」で資本金は1,500万バーツ(約5,500万円)。両社が49%ずつ出資ほか、邦銀関連会社が2%出資した。タイ国内と周辺国での販路を拡大するほか、タイで自社製品の生産も検討する。初年度に1億1,200万バーツ(約4億円)、2019年度に2億8,000万バーツ(約10億円)の売上高を目指す。
6/23 中国事業参入のためCPから出資
ジェネレーションパス
インターネット通販サイト「リコメン堂」を展開するジェネレーションパス(東京都)は23日までに、タイ最大の財閥企業CPグループから約10億円の出資を受け、CPと伊藤忠商事などが共同で進めている中国・上海経済特区でのEC事業に参加することを決めた。CPの子会社に対し約8億円の第3者割当増資を実施するほか、経営陣の保有株2億円相当分を譲渡する。結果、CPは同社の第2位の株主となる(保有株式数は約21%)。CPと伊藤忠、中国中信、中国移動体通信、上海市信息投資の5社は共同で事業会社「見見面」を設立。ここにジェネレーションパスが参加し、ネット通販事業のノウハウを提供していく。
6/25 機械設備の組立設置事業に3,800万バーツ
サン・エンジニアリング
ダイカストマシンなど大型機械設備の組立・加工・設置・移設・メンテナンスを手掛けるサン・エンジニアリング(群馬県)のタイ法人SIAM SUN ENGINEERING CO., LTD.は25日までに、東部チョンブリー県で展開する機械設備の組立設置事業に必要な資金3,800万バーツをタイ・バーツ建てで調達する貸付契約を国際協力銀行との間で締結した。中堅中小企業の海外進出を支援する「海外展開支援融資ファシリティ」の一環で、東和銀行が強調融資に応じた。同社はタイで、主に自動車製造工場のラインに使用される大型機械設備の組立・設置事業を展開。今後も需要が増していくと判断した。