週刊ワイズで取り上げた【タイローカルニュース】注目をピックアップ。これさえ読めば、タイの“今”がわかる!? 今週は、バンコク中心部の土地高騰のニュースから。
バンコク中心部の土地高騰
まもなく1ライが8億Bに
民間の米系不動産コンサルタント「コリアーズ・インターナショナル・タイランド」によると、バンコク中心部の地価が高騰しているという。最近の取引で最も高かったのは、高架鉄道BTSチットロム駅階下を通るチットロム通り周辺で、不動産開発会社SCアセット社が高級コンドミニアムを建設するために購入した3ライ(1ライ=1600㎡)の土地の買値は22億8000万バーツだった。標準的な指標となる4㎡あたりの単価に直すと190万バーツ。
同社リサーチ部のスラチェート・ゴーンチープ副部長は「財務局の評価では4㎡あたり80万バーツだが、実態は大きく異なる。まもなくバンコク中心部の地価は4㎡あたり200万バーツに達するだろう」との見通しを示した。1ライに換算すると8億バーツとなる。(30日=ポスト・トゥデイ)
貿易輸出が6ヵ月減少
大洪水時以来の下げ幅
タイ商務省は27日、今年上半期(1~6月)の貿易統計(速報値)を発表した。それによると、輸出総額は前年同期比4・8%減の1068億5560万米ドルで、農産物・加工品のマイナス6・4%などが主な要因だった。6月単月でも7・9%減の181億6160万ドルと、今年1月から6ヵ月連続での前年同期比マイナスを記録。大洪水に見舞われた2011年12月以来の大幅な下げ幅となった。
商務省によると、6月はコメの21・1%、自動車・部品の19・1%のそれぞれ減少が響いた。ただ、低調だった天然ゴムなどで改善の兆しが見え始めていることや自動車メーカー各社が通年の輸出目標を維持していることから、年間の輸出成長率の目標だった前年比1・2%増は据え置かれた。(28日=バンコクビズ)
バンコク~昆明20年開通
プラジン・ジャントン運輸相は27日、ラオス政府と協議を続けている国際鉄道網構想について、バンコクを出発し、東北部ノーンカーイからラオス国内を経由、中国雲南省昆明に至るルートが2020年までに開通するとの見通しを示した。中国国内区間(約520キロ)、ラオス国内区間(約417キロ)とも年末までには着工するという。
一方で、プラジン運輸相は、中国の協力を得て計画を進めている東北部ノーンカーイ~ケンコーイ~バンコクとケンコーイ~マプタプット間の高速鉄道新線についても、早ければ今年10月の着工が見込まれるとも語った。(29日=マティション)
国内観光客が大幅減
景気の低迷受けて
景気の低迷が観光業界にも影を落としている。タイ国政府観光庁のアヌパープ・ティララットマーケティング副部長によると、7月下旬から8月上旬にかけての4連休で、国内旅行を計画するタイ人の数は前年同期比20%減と大幅な落ち込み。このままで推移した場合、観光産業の年間の売上高は目標の8000億バーツに達しない可能性があるという。
一方で、海外旅行も低調だ。タイ旅行代理店協会のスパレーグ・スラングーン会長によると、今年一年間で海外旅行に出かけるタイ人は昨年より10%ほど減少する見通し。仮に海外旅行に出かけても買い物を控えたり、旅行そのものに費用をかけない傾向が顕著になっているという。(28日=ポスト・トゥデイ、29日=デイリーニュース)
人工降雨で恵みの雨
首相府のサンセーン・ゲオカムネート広報担当は28日、このところの降雨でわずかながらも水不足が解消してきたことを明らかにした。20日~27日の降雨により、新たに2億273万㎥の水がダムに貯まったとしている。
タイでは今年、記録的な干ばつ被害が発生しており、北部、東北部の稲作地帯で特に深刻化。このため航空機で薬剤を散布するなど人工降雨対策を実施していた。(28、29日=ネオナー)
高校生がFBで大麻販売
1回毎に4千バーツの利益
ナコーンパノム県の県当局は28日、軍の協力を得て、SNSのフェイスブック上で大麻を販売していた高校生の男子生徒(17)を検挙したと発表した。同県ターウテーン市安全保障部のシェートパン・ポンウィシェン部長によると、男子生徒はラオスの大麻販売者から1キロ2500~3000バーツで購入。フェイスブック上で、6500~7000バーツで転売していたという。(28日=タイラット)
人身取引でタイは最下位
軍事クーデターの影響か
アメリカ国務省が27日発表した人身取引に関する年次報告で、タイは前年に引き続き最下位のカテゴリを表す「ティア3」に位置付けられた。東南アジア各国中、最も低く、北朝鮮や内戦の続くシリアと同レベル。これを受け、タイ外務省は「暫定政府は人身売買などの諸問題を解決するために法律や制度の整備に取り組んできたし、これからも取り組んでいく」とする声明を発表した。
昨年5月の軍事クーデター、それに続く戒厳令や言論統制が影響しているものとみられている。(27日=タイラット)
不良債権が増加
132億B増
タイ中央銀行(BOT)は27日、国内金融機関が抱える不良債権(NPL)の現状について発表した。それによると、今年第2四半期(4~6月)末のNPLの総額は約3115億バーツ。第1四半期(1~3月)に比べて132億バーツ増加した。今後の輸出の落ち込みや世界経済の減速、干ばつ被害の拡大によっては、さらなる積み増しがあるものとみている。
すでに中銀内では、年当初の目標としていた対前年比3%のGDP成長率の達成が困難になったとの見方が広がっている。(28日=タイラット)
改正著作権法が発効へ
ネット上の保護を強化
首相府のサンセーン・ゲオカムネート副報道官は27日、2015年改正著作権法が8月4日に発効すると発表した。インターネット上での著作物を保護することが目的で、商業利用、個人利用に限らず一定の範囲内で取り締まりを強化する。
商業利用では、著作権者の許可を受けずに転用したり、改変した場合、3ヵ月以上2年以下の禁錮か5万~40万バーツの罰金、もしくは併科となる。個人利用では、著作権者のクレジット(出典名)が明示されている場合は罰しないが、それ以外の場合は1万~10万バーツの罰金とする。(27日=ポスト・トゥデイ)
関税納付にカード利用可
9月1日から実施
財務省関税局は、旅行客がタイ国内に物品を持ち込む際に徴収している関税について、9月1日から従来の現金に加えカードによる納付を可能にすると発表した。スワンナプーム国際空港で先行実施した後に、各地の空港でも広げていくか判断する。
持ち込む物品の価格10万バーツを上限に、クレジットカードとデビットカードでの納付ができるようにする。現在使用できるのはクルンタイ銀行とカシコン銀行のカード(1%の手数料がかかる)。10万バーツを超える物品関税については、これまで通り銀行窓口で行う。
関税局は7月17日から旅行客が持ち込む物品の免税枠を1万バーツから2万バーツに引き上げた。(24日=デイリーニュース)
バイオプラスチックに転用
買取制度の備蓄腐敗米
前政権が進めたコメ担保融資制度(事実上の買取制度)の結果、引き取り手がないまま腐敗してしまった備蓄米の処分について、工業省のチャッカモン・パースックワニット大臣は22日、バイオ技術を活用した「バイオプラスチック」の生成に転用していく考えを示した。米バイオプラスチック会社の「ネイチャー・ワークス」がタイでの投資を検討しているといい、実現すればコスト削減も進むと判断した。
石油由来の合成樹脂に、腐敗米から生成したバイオプラスチックを2割程度混入させる。200度までの熱に耐えうるが、消費者心理を考えゴミ袋や交通規制用のロードコンなどの使用に限定し、食品には使わない。
ただし、通常のプラスチックよりも25~30%のコスト増が見込まれている。これについて、タイ工業連盟プラスチック工業部のアッタウット・ヒランヤブーラナ部長は「ネイチャー社による投資が実現すれば、一般のプラスチックの10%高程度で収まるだろう」との試算を明らかにした。(23日=バンコクビズ)
グラブタクシー4都市目
プーケット県で年内にも
プーケット県のニシット・ジャンソムウォン知事は24日、スマートフォン(多機能携帯電話)など携帯端末用のタクシー配車アプリ「Grab Taxi(グラブタクシー)」の導入に向け、プロジェクトチームを発足させたことを明らかにした。早ければ、年内にも配車サービスが実現する。
グラブタクシーはシンガポールにある運営会社が2012年に開始したサービス、6ヵ国20都市で展開している。アプリのダウンロード数は約300万件、月間の利用者は60~70万人とみられている。タイでは、バンコク、パタヤ、チェンライで導入済。(25日=タイラット)
ゴミ発電所建設
中国企業と共同
東北部ウドンターニー県にある民間ゴミ処理会社「ウドン・クリーン・エネルギー」のパンヤワット・ウタイパット常務取締役は21日、中国企業と共同で廃棄物(ゴミ)をエネルギー源としたハイブリッド型発電所を県内に建設すると発表した。今年10月にも着工する。総事業費は15億バーツを試算している。
117ライ(1ライ=1600㎡)の用地に有機廃棄物と無機廃棄物の2系統の処理施設を建設する。パンヤワット常務によると、周囲の環境とは遮断するため、汚染などの心配はないという。
一方でウドン社は、向こう30年間に渡って発電所にゴミを搬入するとした了解覚書(MOU)を地元行政当局と締結したことも明らかにした。(22日=プラシャシャート)
プレミアL放送はPPTV
マンチェスターU戦で開幕
8月から新シーズンを迎えるサッカーの英プレミアリーグのテレビ生放送が、デジタル放送のPPTVチャンネルで実施されることが27日決まった。8日に行われるマンチェスター・ユナイテッドとトッテナム・ホットスパーの試合から始まり、26試合を放送するという。今回の生放送に使う予算は約3億バーツ、加入者は70万世帯以上とみられている。(27日=マネジャー)
アジア最長の自転車道建設
全長184.4キロ
タイでアジア最長となる「自転車専用道路」の建設プロジェクトが進んでいる。プラジン・ジャントーン運輸相が明らかにした。それによると、専用道路は中部パトゥムターニー県から北にアユタヤ、アーントーン、シンブリー、チャイナートの計5県を通る全長184・4㎞のルート。3分の2を地方道が占め、国道は約55㎞。
現在、デザインを作成中で、来年初めには着工、2017年の完成を予定している。総事業費は15億バーツを見込む。(26日=プラシャシャート)