週刊ワイズで取り上げた【タイローカルニュース】注目をピックアップ。これさえ読めば、タイの“今”がわかる!? 今週は、ダウェー開発、日本で協力覚書を調印のニュースから。
日本で協力覚書を調印
ダウェー開発、ミャンマーと
プラユット暫定首相は2〜4日、日本貿易振興機構(JETRO)主催の「メコン五カ国経済フォーラム」に出席するため訪日した。同暫定首相は、JETROの石毛博行理事長や三井物産の安永竜夫社長、衆参両議長などと相次いで会談し、鉄道や港湾といったインフラ整備と経済特区を通じて、タイ経済を成長させると説明。なかでもミャンマーと共同開発するダウェー経済特区について、「他国には、タイ・プラス・ワンとなって発展してほしい。そのためにタイは協力を惜しまない。それには日本の協力が不可欠だ」と協力を呼びかけた。
また、暫定首相は4日、安倍晋三首相の立ち会いのもと、ミャンマーのテイン・セイン大統領とダウェー開発に協力する覚書を交わした。(3〜4日=Royal Thai Government)
プミポン国王が指示
干ばつ被害で人口降雨計画
農業協同組合省のタイ王立人工降雨・農業航空局のワラーウット・カンティヤーナン局長は4日、深刻な干ばつ被害が予想されることを受け、被害が甚大な9県に「人口降雨センター」を設立するようプミポン国王から指示があったことを明らかにした。航空機でドライアイスやヨウ化銀を散布する案が有力。
9県は、北部がピッサヌローク、チェンマイ、ナコーンサワンの3県、東北部がコンケーン、ナコーンラチャシーマー、ウボンラチャターニーの3県、中部がカンチャナブリー、サラブリー、プラチュワップキーリーカンの3県。人工降雨は、タイの主要な水源であるプミポン、シリキット、パーサックチョンラシット、クエーノイバムルンデーンの4ダムの水位を増やすことが目的。すでに3月から6月まで一部で実施し、若干の水量が増加した。(5日=デイリーニュース)
コンド計10棟1万戸
国鉄用地の商業開発計画
バンコク大衆輸送システム社(BTSC)のキーリー・カーンチャナパート社長は5日、タイ字紙プラシャシャートの取材に答え、タイ国有鉄道(国鉄)が保有するバンコク・チャトチャック区の359ライ(1ライ=1600㎡)の土地の商業開発について、コンドミニアム10棟と百貨店、病院などの建設を予定していることを明らかにした。コンドミニアムの戸数は1万ユニットに及ぶ見通しで、うち半分を国鉄職員の社宅として無償で提供、残りを賃貸向けとする。国鉄バンスー駅間にモノレールを建設する計画もあるという。本件プロジェクトについては、プラジン運輸相が7月半ばにもBTSCと国鉄の両者を呼んで話し合う意向を示している。
また、キーリー社長は、コンケーン県~ラヨーン県マプタプット間(約500㎞の国鉄路線を商業利用する計画についても触れ、同区間の複線化のため、500億バーツの予算を計上したことを明らかにし、「現在、運輸省と出資の形態について協議している」とも語った。(6日=プラシャシャート)
赤ナンバーを廃止へ
登録税免れる所有者も
本来は仮ナンバーであるはずの自動車の「赤ナンバー」が想定外の利用をされているとして、運輸省陸運局のティラポン・ロードプラセート局長は8日、取り締まりを強化するとともに、改善が見込めなければ制度そのものを廃止する考えを示した。自動車メーカーにも協力を要請する。
陸運局によると、赤ナンバーは自動車検査登録(車検)を終えていない車を移動させたり、修理する必要がある時に限って使用が許され、使用後は速やかに正式なナンバープレート(白ナンバー)を取得して交換しなければならない。違反者には最高で1万バーツの罰金が科される。(9日=ポスト・トゥデイ)
チャンタブリーで倉庫爆発
3人死亡、住宅等6棟被害
3日午後4時40分ごろ、東部チャンタブリー県ソイダーオ郡の農業向け化学薬品の倉庫で爆発があり、3人が死亡、2人が重軽傷を負った。倉庫にあった塩素酸カリウムが何らかの原因で加熱され、爆発したのが原因とみられる。(4日=タイラット)
日本人女性に性的暴行
逃亡中の元警官を逮捕
タイ王国国家警察中央捜査本部は9日、2001年に南部トラン県で起こった日本人女性に対する性的暴行事件で逃亡していた元警察官の男を逮捕した。バンコク都ミーンブリー区に潜伏しているところを取り押さえた。
同本部犯罪抑制局のアカラーデート・ピモンシー大佐によると、男はアリス・シャヤパット容疑者(47)。現職の警察官だった01年2月にツアー旅行でタイを訪れていた被害者を騙して暴行。まもなく逮捕され、09年にトラン県の裁判所で禁錮20年の判決を受けたが、保釈中に行方をくらましていた。アリス容疑者は何度も名前を変えて、住居も転々としていたのだという。(9日=マティション)
タクシー再値上げ延期へ
無料バスなども廃止延期
7月から再値上げが予定されていたタクシー料金について、プラジン運輸相は6日、「利用客に影響が出ないようにしなければならない」と述べ、景気の動向によっては値上げ時期を延期する可能性があることを示唆した。また、7月で廃止することを決めていた低所得者向け施策の無料バスと無料鉄道(3等車)の運行についても、「関係当局と協議して内閣に提案する」と話し、同様に廃止の延期がありうるとした。
理由として運輸相は、物価が上昇している点を挙げ、庶民生活に影響が出る可能性についても言及した。(6日=バンコクビズ、7日=Mタイニュース)
少年二人を逮捕
漫画260冊を窃盗
チョンブリー県の警察は7日、デパート内の書店で盗みを繰り返していた18歳と17歳の二人の少年を窃盗及び窃盗未遂の容疑で逮捕した。盗んだ本は計260冊の及び、大半が日本の漫画だったという。
調べによると、二人は同県フォーラムデパート内にある書店「ドクヤー」で、店頭にあった漫画を盗もうとした疑い。同店はこれまでに3回被害に遭い、店員が少年らの顔を覚えていた。この日は盗もうとしているところを取り押さえることに成功。「停電のためドアがロックしたから逃げられないぞ」と足止めにし、駆けつけた警官に引き渡した。少年らは「(日本の)べるぜバブ」という漫画が好きだったといい、「盗んだ本は全部家にある。転売していない」と供述しているという。(7日=マティション)
国内ロケで16億B収益
今年上期の統計結果
観光・スポーツ省観光局のワンシリ・モーラークン局長代行は1日、国内の外国映画による撮影が今年上半期(1~6月)、計326件に達し、15億8700万バーツの収益があったことを明らかにした。前年とほぼ同水準で、通年では20億バーツ強の見通し。ロケ地として人気が高かったのは北部チェンマイ県、メーホンソン県、バンコク都だった。
国別では、欧州が最も多く70件。次いで日本56件、インド53件、韓国20件、アメリカ18件、香港18件、中国16件の順。今後も数多くの外国映画がタイをロケ地として選ぶよう、政府に対し特別恩典の制度を取り入れるよう働きかけていくという。(2日=バンコクビズ)
タイ教育省が明らかに
児童性犯罪歴の英人が就労
教育省のティラキアット・チャルーンセータシン大臣補佐官は6日、本国で子どもに対する性犯罪を犯したイギリス人が、タイで外国人教師として就労していることを明らかにした。このため、全国の学校や学習塾に対し、外国人教師を採用する際は犯罪歴を十分確認するよう求めている。
イギリスでは、子どもを犯罪から保護することを目的に、性犯罪など前科に関するデータベース(www.acro.police.uk/icpc)を開設し、自由に利用ができる。タイ教育省では、こうしたサイトを通じて確認するよう求めている。(6日=デイリーニュース)
タイ国鉄、保険導入
死亡最高30万B
タイ国有鉄道のウッティシャート・ガンラヤーナミット総裁は6日、鉄道事故が発生した場合に乗客と乗員に補償金を支払うための制度を、今年11月から導入すると発表した。国鉄が契約者となって保険会社と損害保険契約を締結する。被保険者はすべての乗客と乗員で、保険料は国鉄が負担する。死亡した場合は最高で30万バーツ、けがの場合でも最高3万バーツが支給される。同総裁は「保険への加入はタイ国有鉄道の責任だ」と述べた。(6日=プラシャシャート)
同性愛を認める声が多数
国立開発行政大学院調査
タイ国立開発行政大学院(NIDA)は国内のおける同性愛に関する意識調査を行い、5日、その結果を発表した。それによると、友人または同僚に同性愛者がいる場合に「受け入れられる」と答えた人は88・72%、家庭内でも79・92%の人が同様に回答した。2013年以降、同性愛者を受け入れる声は増加傾向にあるという。
同性愛者が法律上の婚姻をすることについても、59・20%の人が賛成すると答えた。また、公文書に性別を記載する場合、男性、女性以外に性的少数者の記載欄を追加するよう求める意見も59・36%に上った。調査は今月1日と2日、全国の1250人を対象に実施された。(5日=ポスト・トゥディ)
体臭を良くするお茶人気に
「花嫁コース」に採用も
東部プラーチーンブリー県にある「チャオプラヤー・アパイプーベート病院」のスパで提供しているお茶が、「体臭を良くするお茶」として静かな話題となっている。スパの「花嫁コース」で採用する計画もあるという。
このお茶はラーマ5世(在位1868〜1910年)の時代に、女性が王に身を捧げる前に飲んでいたとされる。材料はラントム、イランイラン、チャムピー、チャムパー、ツボクサの花とハーブなどで、血行が良くなり、発汗される汗から花のような匂いが発せられるという。ただし、数日間飲み続ける必要があり、匂いの強いものを食べた時は匂いは持続しない。
病院では海外輸出の計画も立てている。ワッチャナー・タンクワームピアン・タイ古式医学課長は「お茶には砂糖が添加されていないので、糖尿病や心臓病の人でも安心して飲めるだろう」と話した。(9日=デイリーニュース)
トルコの泰大使館にデモ隊
ウイグル族送還への反発か
タイの軍事政権が密入国容疑で拘束していた中国籍のウイグル族約90人を中国に強制送還したことを受けて、ウイグル族と同じテュルク諸語を母語とするトルコ人のデモ隊が9日未明、首都アンカラのタイ大使館やイスタンブールのタイ領事館に押しかける騒ぎが発生。警官隊が出動してデモ隊を解散させた。けが人などはなかった。事件を受けて、タイ首相府のウィラチョン・スコンタパティパーク広報官が声明を発表。「タイは中国との取り決めに従って、中国国籍者を本国に送還した」と語った。
中国の新疆ウイグル自治区では、現地に居住するウイグル族が取り締まりを受けて国外に脱出するケースが相次いでいる。タイでもこのところ密入国したとみられるウイグル族の人々が相次いで発見され、これまでに約300人が身柄を拘束された。ベトナムやカンボジア、ラオスなどを経由して渡ってきたとされる。うち約170人がトルコ国籍、約90人が中国国籍だった。
トルコでのデモ騒動を受けて、タイの外務省は在外公館を通じて現地のタイ人の安否を確認。約1300人全員の安全が確認されたという。(9日=マティション、ポスト・トゥデイ)