経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”をトピックで紹介。
地域統括会社を販売会社化
拡大する電力需要に対応
三菱電機は、これまで地域統括会社として位置付けてきたタイの三菱電機アジア(タイ)を 販売会社化し、電力システム事業の強化に乗り出す方針を固めた。すでに営業を開始してい る。年末にASE AN経済共同体(AEC)が発足するなど、タイを中心に電力需要の拡大に伴う インフラ整備に対応する。販売からエンジニアリングに至るまで一貫した受注を取り付けるこ とでシェア拡大を目指す。 同社は1964年にタイ進出。三菱電機グループ各社の支援業務を主な事業とし、2013年に は地域統括本部ライセンスを取得。現地の地域統括会社として活動してきた。一方で、電力イ ン フ ラ 製 品 の 販 売 な ど も 行っておりこれまでにタイ発電公社の変電所向けに5 0 0 k V のガス絶縁開閉装置を2件納入したほか、タイ国内の数多くの発電所向けに製品を納めてきた。 販売会社化するのは、産業の集積するタイでさらなる企業の進出や国土の開発が進むという見通しがあるためだ。AECの発足は南北、東西の物流網 の 整 備 を 加 速 さ せ 、新 た な 工 業 団 地 の 建 設 や ヒ ト ・ カ ネ・モノの移動が進むとみられている。海外からの投資も 引 き 続 き 堅 調 に 推 移 し て い く 見 通 し で 、統 括 会 社 と し て 機能するより拡大する電力需要に備え、電力システム事 業に特化するのが得策と判断した。三 菱 電 機 グ ル ープ は 主 な も の だ け で も タ イ に 1 0 社 進 出 し て お り 、家 電 や 空 調 機 器 、汎 用 モ ー タ 、エ レ ベ ー タ 、自動車電装品、ファクトリー・オートメーションなど事業 内容も多彩。14年の日本を除くアジア市場における売上 高は、グループ総売上高約1兆円の約3割を占め、中でも タイは重要な拠点として機能している。今後もタイを機軸 に事業展開するものとみられている。
10/6 シラチャー支店開設。日系企業向けにサービスアパート
レオパレス21
賃貸マンション等大手レオパレス21(東京都)は6日、海外14拠点目となるシラチャー支 店を東部チョンブリー県シラチャーに開設、日系企業向けサービスアパートメント事業第1号 となる「STELLAR Residence」の運営を開始した。同物件は地上8階建て、72部屋。主に 単身の駐在員を想定し、スタジオタイプ21室、1ベッドルーム44室、2ベッドルーム7室の構成 とした。ジャグジーやジム、サウナ、ケーブルテレビなども完備、快適性にも配慮した。バンコク から東に約120キロのシラチャーは日系企業の駐在員が多く居住しており、チョンブリー県の日本人人口は約1万人。日本人学校の分校や日系商業モールもあって開発が進んでいる。
10/8 設備増強のための資金1億円を調達
シティプラスチック
自動車や産業機械向けにプラスチック部品等を製造するシティプラスチック(広島市)は 8日までに、加工機等の設備を増強しさらなる生産体制の充実を図るため、商工中金の「グ ローバルニッチトップ支援貸付制度」を活用、タイの現地法人「CITY PLA (Thailand) Co., Ltd.」の本格展開に必要な1億円の融資契約を締結した。現地法人は2013年11月に設 立、今年1月から生産を開始している。「グローバルニッチトップ支援貸付制度」は、特定分野 に優れた中小企業等の海外進出を支援するため、政府の「日本再興戦略」に従い14年4月 から始まった。シティプラスチックは自動車の静電塗装機械のプラスチック部品で世界シェア 10%を占める。
10/10 タイ現地法人の営業を開始
神栄
食品、衣料、物資、電子製品等輸出入販売商社の神栄(神戸市)は10日までに、食品販 売などを事業内容として新たに設立したタイ現地法人Shinei (Thailand) Co., Ltd.の営業 を開始したことを明らかにした。日本市場向けに生産される安心安全な野菜、水産物、加工 品といった冷凍食品を中心にタイ市場に供給していく。新会社は資本金200万バーツ。当 初はタイ国内市場向けに販売を行っていくが、将来的には東南アジア一円に事業展開した い考え。タイでの実績を分析しながら決定する。所得が向上し、消費が旺盛なアセアン市場
が有望と判断した。