家計直撃!? 20Bから150Bへ引き上げられる処理手数料。
それでも足りない首都バンコクのゴミ問題
国の発展にともない、人々の生活が豊かで便利になった反面、問題となるのがゴミ問題。ここタイも例外ではない。
ニュースサイト、タイパブリッカーによると、人口約890万人を抱える首都バンコクのゴミの量は、約1万トン(1日当たり)。東京23区(約900万人)の約8000トン(同)と比べても、多い。まして、成長が見込まれるタイのゴミ量は、今後も増加するはず。
タイのゴミ処理方法は、焼却、埋め立て、リサイクルの3つ。バンコクでは、毎日20時〜翌朝6時の間で、ゴミ収集車が都内を巡回し、回収する。集められたゴミは一旦、「サイマイ清掃場」、「ノンケム清掃場」、「オンヌット清掃場」に運ばれ、一般廃棄物、病院や工場から出る危険性廃棄物、リサイクルなどに分別された後に、最終処分場へ送られる。
ところが、清掃場に運ばれたゴミの大部分は、廃棄物処理が為されないまま埋め立てられているという。また、粗雑な管理のゴミ投棄場では頻繁に火災が起き、その都度、有害ガスを発生させていることは、ニュース報道などで周知の事実。
ご多分に漏れず、有害物質の流出は、環境問題を引き起こし、人間や野生動物に被害を与えるなど、百害あって一利なし。とはいえ、ゴミ処理には莫大な経費がかかる。
現行、バンコクでは約100万世帯から、一戸当たり毎月20バーツのゴミ処理手数料を徴収している。単純に約1億8000万バーツの収入となるが、処理にかかる費用は約60億バーツ(2014年度)というから話にならない。しかも、処理費用は2年前に比べて約25億バーツも増え、まさに青天井で排出され続けるバンコクのゴミ。そこに、追い打ちをかけるのが、全世帯の半数が(手数料)未払いという事実。バンコクのゴミ処理対策は、もはや待ったなし。こうした状況打開に動いた、内務省は先月、現行20バーツの処理手数料を150バーツに引き上げる案を政府に提出。ただ、同案には「罰則がなければ、変わらない」との否定的な見方も多く、抜本的な解決につながるかは不透明だ。
先進国入りを目指すタイにとって、ゴミ問題は避けては通れない。果たして、増え続けるゴミをどうするのか、注目したい。