どうなる? 2017年

日系企業は好転予想。タイ政府も経済成長3〜4%と明るい兆しも

 

ワチラロンコン国王(64)は12月31日夜に放送されたテレビ演説で、「多くの国民が前国王を追悼するため、全国から王宮に詰め掛ける姿に感銘を受けました。それと同時に、いかなる問題が起ころうとも、国民が一致団結して解決できると確信しました」と国民団結を呼びかけられ、年が明けた。
タイにとっては、まさに新時代の幕開けとなった2017年。最大の課題は、長引く景気低迷からの脱却だろう。
日本貿易振興機構(JETRO)が発表した2016年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査によると、在タイ日系企業の景況感DI(営業利益が前年比で「改善」した割合から「悪化」した割合を引いた数値)は15年の3・2から17・1(16年)に上昇、17年に関しても35・0と景況感は大幅に好転。理由としては、タイ政府の財政支出と輸出増への期待感だという。
それを裏付けるように、タイ政府発表も同様の予想が相次いだ。国家経済社会開発委員会は今年の経済成長率を3〜4%と予想。輸出の反転により、国内生産が高まることで民間企業の投資が増え、結果、低迷する消費マインドも改善すると予測した。また、アピサック財務相も同成長率を3〜4%とし、理由を「鉄道や道路インフラを中心とした公共投資増が民間投資を後押しするだろう」とした。
さらに、タイ商工会議所大学経済・ビジネス予測センターや、カシコン銀行カシコンタイ研究センターは、前半は観光産業の回復が牽引し、下半期にかけて政府財政支出(公共投資)と輸出増が経済成長を促すだろうと予想。タイ中央銀行のウィラタイ総裁は「今後も続く、政府のインフラを中心とした公共投資によって1〜2年以内にタイのGDP成長率は4〜5%に達する可能性もある」と皆同様に好転予想を発表する。
新年ということもあり、ご祝儀予想感はあるが、今年は日タイ修好130周年という節目の年。プラユット暫定首相が掲げる民政移管のロードマップでは、総選挙の実施も掲げられている。週刊ワイズとしては、新国王のもとで、両国にとって明るい話題を伝えていきたい。

 

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