突如タイのコンビニ業界に現れた「イート・イン」。
飲食店に負けず劣らずの味を提供する、注目の新サービスに迫る!
日常生活に必要不可欠な存在ともいえる「コンビニエンスストア(以下コンビニ)」。タイの街中でも、日本同様のロゴマークを目にすることが当たり前となった現在、国内の店舗数は全体で1万2000〜1万3000軒ほどあるとされている。
近年では、それぞれの企業が独自のプロモーションやサービス、新商品などを打ち出し、他社との差別化を図りはじめた。なかでも、最近注目を集めているのは、コンビニ大手がこぞって導入をはじめた、コンビニ店内で食事が楽しめる「イート・インサービス」だ。
同サービスは、日本では「ミニストップ」が先駆け。最近では、「ファミリーマート」や「サークルKサンクス」も対応店舗の拡大を進めているが、タイのコンビニにおいては少々性質が異なる。日本との大きな違いは、飲食店に負けず劣らずの本格的メニューを提供しているという点だろう。
現在、タイ国内に8000店舗を構えるコンビニ最大手「セブンイレブン」は、2014年10月に「オール・ミール」というイート・インサービスを開始した。同サービスの旗艦店となるプラチャーソンクロ・ソイ23店では調理スペースを増設し、6〜7席の食事スペースを設置。お粥、麺、おかずなどを35バーツ〜の価格で販売している。
また、2014年5月には「ローソン108」が、「ザ・キッチン・ローソン108」をスタート。現在10店舗で実施している同サービスは、日本米を使った弁当をはじめ、ラーメン、タイ料理、欧米食など計70種以上の豊富なメニューが魅力だ。価格は39バーツ〜、一部店舗では無料Wi-Fiも設置している。
さらに、2014年12月には 「ファミリーマート」も同サービスに参入。新規オープンしたスクンビット・ソイ33店で「ファミ・キッチン」を開始した。
同コンビニを運営する「セントラル・ファミリーマート」のナット・ウォンパーニット社長によると、2015年はコンビニ市場にとってひとつの節目になるという。「イート・インサービスは新たなトレンドとなるだろう。1店舗目の状況をみて、まずは10店舗のサービス展開を目指したい」と、市場拡大に前向きな意見を述べた。
イート・インサービスによる、コンビニのファストフード化。その勢いは、今後もますます加速していきそうだ。