慈善活動を行う邦人男性がスワンナプーム国際空港を批判
メディアを巻き込む大騒動となったその内容とは?
2015年1月18日、タイで慈善活動を行う邦人男性が、入国審査に関する不満や空港タクシーの不当請求に関する書き込みをフェイスブック上に投稿し、大きな反響を呼んだ。
投稿は日本語とタイ語で書かれていたこともあり、瞬く間にネット上に拡散。2015年1月23日現在で「いいね!」約3万1000件、約1万6500人にシェアされ、一時は地元メディアがこぞって取り上げるほどの事態となった。
現在、スワンナプーム国際空港に待機するタクシーは約5000台といわれる。そのどれもが、2014年12月に導入された運輸省の基準をクリアした優良タクシーであるはずだが、依然として苦情は後を絶たない。「メーターの使用を拒否された」「不当請求をされた」「目的地まで遠回りされた」といった苦情は日常茶飯事。冒頭の男性も「アジア随一不愉快な空港、スワンナプームはタイの恥だ(一部抜粋)」と悪評を書き込んだ。
これを受けてか、ネット上には「日本人乗客の停止」と日本語で書かれた“日本人お断り”の張り紙の写真が出回り、タクシー運転手協会や運輸省が慌てて否定する騒ぎになった。
メディアによる煽りを受けた後日、書き込みを行った男性のもとには意見が殺到した。投稿に対して寄せられたコメントは約4600件(2015年1月23日現在)に上り、男性個人に宛てられたメッセージも膨大な量となった。
これを受け、男性は2015年1月19日、再び日本語とタイ語で書き込みを行った(一部抜粋)。「1人の不心得者のせいで、タイ人のイメージが損なわれようとしている。“他人をいたわり、笑顔を絶やさない”人たちが、外国人の目に留まるタイ人であってほしい」と、炎上したSNSを沈静化させる“大人な対応”をとった。
男性は、タイで貧困に喘ぐ子どもたちに向けた慈善活動を行っている。今回の騒動は、そんな日本人が寄せた意見であることも炎上した理由のひとつだろう。男性が主張する「外国人を気持ちよく迎え入れてくれる空港」に改良されていくことを願わんばかりだ。
【写真上】スワンナプーム空港 ©Tourism Authority of Thailand