雨が降るか降らないかは自然の摂理 さまざまな施策を実施するも、当初の計画に問題が?
毎年、気温上昇のピークとなる4月に問題となるのが、タイの干ばつ問題。今年も、国内主要ダムの貯水量が発表された。
先月中旬、農業・協同組合省のチャットチャイ大臣は、中部チャイナート、アーントーンとシンブリーで発生した干ばつ被害の視察の際、今年は例年より雨が降る時期が早いので、干ばつは昨年ほど厳しくないだろうとの見込みを示していた。
実際、2016年末から雨が断続的に降ったことにより、国内主要ダム34カ所の貯水量は、約199億8100万㎥。
前年に比べ、約75億200万㎥のプラス(17年3月14日時点)先日31日に灌漑局が発表した主要大型ダム8カ所の貯水量も、約456億7300万㎥で、前年比約79億4100万㎥プラスと判明した。
なお、世界有数の農作地帯が連なる中部ナコーンサワンから、ウタイターニー、チャイナート、シンブリー、アーントーン、アユタヤ、パトゥムターニー、ノンタブリーと、バンコクに流れるチャオプラヤー川流域の主要ダム4カ所の貯水量は前年比、約34億2600万㎥プラスとなっていることが分かっている。
現時点では、すべてのダムの貯水量は前年比プラスとなっているが、雨が降るか降らないかは自然の摂理。
現在、同川流域の乾季作面積は535万ライ(1ライ=1600㎡)と、当初の見込みの約2倍。
国内の乾季作面積も、すでに政府が当初計画していた60%以上の面積だという。
当然のことながら農作のための水資源量もとより、人々が使用する水も、不足する可能性がでてきている。
政府は水不足を防ぐ予防策として、以下のような呼びかけを農家に行っている。
灌漑局のサンチャイ局長は、「水不足にならないよう、稲作は雨季作で作るように」と協力を求める一方、プラユット暫定首相は、「同川流域では毎年、干ばつと洪水の問題が発生している。
この問題を効果的に解決できるよう、プミポン前国王のロイヤル・プロジェクトのひとつである各遊水地の改善に力を入れる」と、コメントをした。
自然災害は避けようがないが、せめて計画だけでも守っていってほしいものである。