注意喚起! 防げ感染! “水”にご用心。
特効薬がない雨季にまつわる病気の数々
先日、保健省が雨季に患者数が増加する病気について発表した。まず、理由は割愛するが、タイでは雨季にインフルエンザが流行る。今年に入りすでに3万人以上が感染し、うち22人が死亡。例年8〜9月が流行時期となるので、注意したい。
さて、雨が降るとできる水たまりは蚊の繁殖を助長し、大量発生させる。この蚊が媒介する病気で怖いのは、例年多くの患者を出すデング熱で、いまだ効果的な治療薬がなく、対処療法でしか治せないという厄介なウイルスだ。初期症状が風邪に似ているため、病院に行かず症状を悪化させることが多く、ときに死にいたらしめる。今年に入り、患者数は約2万人、そのうち13人が死亡している。
お子さんを持つ保護者の方に気をつけてほしいのが、“手足口病”。これまた雨季に患者が増加する感染症で、口の中や、手足に水疱性の発疹が出る病気。3歳以下の子どもを中心に、主に7月頃に流行する。ちなみに昨年1年間で、6万5000人が感染した。
雨季名物といえば、大雨による道路の冠水。仕方なく、足が水に浸かった状態で帰宅した経験者も多いはず。とはいえ、溢れた水には多くの細菌が潜んでいるのでご用心。動物の糞や尿で汚染された土壌や水が、体の傷や粘膜に接触することによって移るレプトスピラ症をご存知だろうか。
バンコクには、大量のネズミが発生し、闊歩している。そのため、同症にかかったネズミの糞や尿が溢れた水を通して感染(傷口など)することが多いという。防ぐには、長靴を履き水に触れるのを避けるしかない。症状は、頭痛、発熱、悪感、筋肉痛、吐き気、下痢や腹痛など。皮膚に発疹が現れることもあり、重症になると黄疸ができ、臓器不全に陥り、最悪死に至るケースも。今年は492人が発症し、7人が死亡している。
紹介した病気以外にも、雨季とは関係なく、結核や狂犬病など日本では見られなくなった病気も多く、特効薬がない場合も多々ある。それだけに、先ずは感染しないことが先決だ。