食品セクターでは、食品、外食・飲料などが上場。最大の食品財閥であるCPグループの旗艦企業であるCPフーズ(CPF)が同セクターで上場し、最大の売上規模を誇る企業となっている。同社は飼料、畜産、養鶏、食品などを展開し、世界40か国以上と取引をしている。他にはコンビニ大手CPオール(CPALL)や通信大手トゥルー(true)などもCPグループ傘下の企業。
水産加工・ツナ缶では、タイユニオンフローズン(TUF)社が最大手で積極的なM&Aを実施し欧州、アメリカの企業を傘下に収めた。その他の水産加工企業はスラポンフーズ、シーフレッシュなどがある。
コメ関連上場企業も多く、精米・タイ米のパトゥムライスミル(PRG)やコメ麺のプレジデントライス・プロダクト(PR)なども上場している。
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タイの食品グループは、コメ、野菜、即席めん、コメ麺など国内の食文化と密接に繋がっている。水産加工はエビ、魚介類が多く、練りもの、冷凍食品まで幅広い。同国の食品グループの企業群は日本、アメリカ、EU、近隣アジア諸国、中近東諸国などに加工食品を輸出しており、アジアの食品加工センターの役割を担っている。また、日系企業もタイ企業と合弁で食品加工をしている企業が数多く進出し、今後はより安全性の高い品質管理や付加価値を加えた食品の開発が求められ、ビジネスの広がりが期待できるセクターとされている。
※SETでは厳密に分けると同業でも違うセクターで上場しているケースもある。今回は原則セクター別の基準を準拠して解説。非上場の企業は除外。
阿部俊之
ASEAN JAPAN コンサルティング社代表取締役。市場調査、分析、マーケティング、企業設立を得意とし、2015年末に向けてASEAN経済共同体(AEC)向け市場マップを配布中。TEL02-612-7323(資料請求はこちらへ)