タイの食品セクターでは食品、飲料、製糖、外食チェーンなどが上場している。コンケンシュガー(KSL)は、製糖事業を引っ張る存在でありながら、最近ではバイオ燃料等食品向け以外への転用が注目され、生産拡大が見込まれている。
現在、タイで高い成長を続けているのが、外食や飲料の分野で注目されているマイナー・インターナショナル(MINT)。外食チェーンとホテルを経営する大手企業だ。その他、有名大手では日本食ビュッフェ・緑茶のオイシ・グループ(OISHI)、ライバルのイチタン(ICHI)、タイスキ・レストランを展開するMKレストラン(M)、タイ料理レストランS&P(SNP)、野菜・果物飲料大手のティプコフーズ(TIPCO)やマリー・サムプラン (MALEE)、TCCグループ傘下になったコーラ飲料“est”を展開するスームサック(SSC)も上場している。
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食品業界は、外食チェーンで上場している企業が多く、中間層の増大によって顧客単価が高くなる傾向が続いているため、成長が期待される分野だ。前回の農業分野と同様、タイ国内から近隣のASEAN諸国へ展開するケースも増加。積極的なM&Aを展開する企業もあり、今後はタイ国内需要のみならず、海外の市場を取りこむ動きも始まっている。製糖業界では、発電関連のニーズが急増中。タイ国内の電力ニーズはラオス、ミャンマーからのエネルギーだけでは不十分であり、自然エネルギー、バイオ関連エネルギーへの進出にも関心が高まっている。
※SETでは厳密に分けると同業でも違うセクターで上場しているケースもある。今回は原則セクター別の基準を準拠して解説。非上場の企業は除外。
阿部俊之
ASEAN JAPAN コンサルティング社代表取締役。市場調査、分析、マーケティング、企業設立を得意とし、2015年末に向けてASEAN経済共同体(AEC)向け市場マップを配布中。TEL02-612-7323(資料請求はこちらへ)