タイ証券取引所に上場している2番目のセクターは消費財分野である。消費財分野は衣類「FASHION」23社と家庭品「HOME」11社、個人用品「PERSON」6社の3つに分かれている。合計で42社。特にサハ・グループ系列の企業が数多く上場している。ICCインターナショナル(ICC)は流通のタイ国内大手サハグループの中核を担う消費財卸企業で化粧品、衣料、一般消費財、ヘルスケア商品など幅広く扱っている。同セクター内では繊維・衣料、ジッパー大手のサハユニオン(SUC)や、同じく繊維大手ラッキー・ラテックス(LTX)、タイ・レーヨン(TR)も上場している。宝石ブランド"PRIMA GOLD"などを展開するプランダ・ジュエリー(PRANDA)、サワン・エキスポー(SAWANG)は、タイの宝石業界で活躍する企業である。
Abe’s Check!
消費財セクターで圧倒的な影響力を持っているのが、サハ・グループ。同セクターで上場している企業だけで、ICCインターナショナル(ICC)、ニューシティバンコク(NC)、ブティック・ニューシティ(BTNC)、ワコール(WACOAL)、パンアジアフットウェア(PAF)など、サハ系企業がかなりの割合を占める。縫製産業などはカンボジアやバングラディシュへの移行が進むなかで、中間層の増加によるファッションの多様化など業界の変化に対応できる企業が生き残っていくはず。ライバルとなるのは、ASEAN進出している日本系、ヨーロッパ系アパレルなど。
※SETでは厳密に分けると同業でも違うセクターで上場しているケースもある。今回は原則セクター別の基準を準拠して解説。非上場の企業は除外。
阿部俊之
ASEAN JAPAN コンサルティング社代表取締役。市場調査、分析、マーケティング、企業設立を得意とし、2015年末に向けてASEAN経済共同体(AEC)向け市場マップを配布中。TEL02-612-7323(資料請求はこちらへ)