タイ証券取引所に上場している3番目のセクターは金融分野である。金融分野は銀行 「BANK」11社、ファイナンス「FINANCAL」 30社、保険「INSURANCE」17社の3つに分かれ、合計58社。銀行は民間系、国営系、王室系など、ここ数年は資金力=体力を着実につけ、積極的な融資を行っている。ファイナンスの分野ではクレジットカード、車両リース、証券などの企業が上場している。ファイナンスでは、イオン・タナシンサップ社が大手でカード事業・金融事業を展開。 またクルンタイカードも同規模のレベルで展 開している。証券業界のトピックでは、マレーシアの金融大手のメイバンクがシンガポールのキムエン証券を買収し、メイバンクキムエンと社名新たに、タイ法人もマレーシア資本となっている。
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タイのフィナンシャルセクターでは、ここ数年車両リース、証券会社、その他金融サービスの中堅系企業が多数乱立していた。そのなかで、2強に数えられる大手が、イオン・タナシンサップ、クルンタイカードである。また、最近では、グローベックスが急成長を遂げている。また、今年に入り、SBIホールディングスがタイの総合金融グループ企業であるFinansa(フィナンサ)と共同で投資会社を設立するなど、海外からの投資も期待される。許認可事業であるため、参入が難しいもののインターネットを介した金融サービス(ネットバンキング、ネット証券、ネット保険、その他)などか同業界の成長を加速させる可能性もある。
※タイ証券取引所(SET)では厳密に分けると同業でも違うセクターで上場しているケースもある。 今回は原則セクター別の基準を準拠して解説。非上場の企業は今回は解説をせず除外している。
阿部俊之
ASEAN JAPAN コンサルティング社代表取締役。市場調査、分析、マーケティング、企業設立を得意とし、2015年末に向けてASEAN経済共同体(AEC)向け市場マップを配布中。TEL02-612-7323(資料請求はこちらへ)