タイ証券取引所に上場している4番目の セクターは工業分野である。14年度末時点で工業分野は自動車「Auto」19社、産業 部品・機械「Industrial Materials & Machinery」8社、製紙「Paper」1社、石油化学「Petrochemicals」14社、包装「Packaging」16社、最後に鉄鋼「Steel」27 社で6つに分かれている。合計で85社。自動車は自動車部品を製造する企業が大きい。アーピコ・ハイテックグループ、ソンブーン アドバンスドグループなどは自動車業界を支える部品を数多く製造し、成長を続けている。(タイ・サーミットグループなどはまだ上場し ていない)。その他タイのバッテリー製造事業者 、タイヤメーカーなども上場 。過去製 紙業界では製紙事業大手のDoubleA(1991) PLC (AA)⦆は製紙セクターでも大手として取引されていたが、非上場化している。
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タイの工業セクターではこれまで自動車産業や精密機器産業が牽引してきたものの、ここ数年自動車生産台数、販売台数の需要の先食いもあって、2014年度は低迷した数字となった。今後のエコカー政策、スーパークラスター政策で自動車分野における投資と、消費者側の需要喚起のバランスが大きな課題になると予測する。タイ国内の自動車マーケットシェアの90%を日系企業、ほぼ残りを欧州系、アメリカ系が握っているのがタイの自動車市場であるが、自動車シートや革製品を製造しているタイの上場企業が多いのも特徴である。
※タイ証券取引所(SET)では厳密に分けると同業でも違うセクターで上場しているケースもある。 今回は原則セクター別の基準を準拠して解説。非上場の企業は今回は解説をせず除外している。
阿部俊之
ASEAN JAPAN コンサルティング社代表取締役。市場調査、分析、マーケティング、企業設立を得意とし、2015年末に向けてASEAN経済共同体(AEC)向け市場マップを配布中。TEL02-612-7323(資料請求はこちらへ)