タイ証券取引所に上場している4番目のセクターは工業分野である。14年度末時点で工業分野は6つに分かれており、自動車「Auto」19社、産業部品・機械「Industrial Materials & Machinery」8社、製紙「Paper」1社、石油化学「Petrochemicals」14社、包装「Packaging」16社、最後に鉄鋼「Steel」27社、合計で85社。今回は石油化学系企業、包装系の上場企業の解説を行うタイの石油化学業界は古くは石油化学製品類は海外から輸入に依存していたが、1970年代末からタイ湾沖で天然ガスが発見され、タイ石油化学産業は急激に拡大する。メイン大手企業はPTTグループ傘下のPTTグローバルケミカル(PTTGC)、サイアムセメント子会社タイプラスチックケミカルなど。
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工業セクターの石油化学部門では、インド系財閥インドラマ・ベンチャーの成長が著しい。同社はPETボトルの原材料になるポリエチレンテレフタラート(PET)、汎用プラスチックの原料の高純度テレフタル酸(PT A)、衣料品向けポリエステル繊維などをタイ、アメリカ、ヨーロッパなど世界各国で生産。同社は積極的なM&A戦略で各国の石油化学品関連の企業を買収し、世界有数のPET生産企業へと成長している。また、P TTグローバルケミカルはPTTの各子会社が合併して誕生。石油化学大手企業で、石油精製、石油化学などを展開する。
※タイ証券取引所(SET)では厳密に分けると同業でも違うセクターで上場しているケースもある。 今回は原則セクター別の基準を準拠して解説。非上場の企業は今回は解説をせず除外している。
阿部俊之
ASEAN JAPAN コンサルティング社代表取締役。市場調査、分析、マーケティング、企業設立を得意とし、2015年末に向けてASEAN経済共同体(AEC)向け市場マップを配布中。TEL02-612-7323(資料請求はこちらへ)