タイ証券取引所に上場している8番目のセクターは情報通信・テクノロジー分野。2015年度末時点で同分野は2つに分かれていて電子部品11社、情報通信技術30社の合計41社が上場している。今回は情報通信セクター分野の中で電子部品関連事業で上場している企業の解説を行う。 大手のカルコンプ・エレクトロニクス(CCET)は、台湾系EMS(電子機器受託製造会社)である新金宝グループの傘下。新金宝グループは、タイなど世界18の工場を保有し、約4万5000人の従業員を抱える大手事業者。近年は東南アジアでの拡張を続けている。2015年には、台湾の大手インターネットサービス事業者であるPCホームオンラインと合弁会社、PCホーム・タイランドを設立し、タイでEコマース・VOIP・第三者決済サービス事業に参入した。
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タイでは電子部品のEMSが盛んで、電子部品系企業が数多く上場している。コンピューター、電子部品関連事業のタイ証券取引所上場企業としてハナ・マイクロエレクトロニクス(HANA)、台湾系デルタ・エレクトロニクス(DELTA)などがある。2011年の大洪水では業界全体が大きな被害を受けたが、中長期的にはスマートフォンやタブレット端末の普及、クラウドサービスへの需要増加や、ASEAN 向けの家電製品の輸出増加などで、タイの電気・電子製品産業の成長が続くと予想されている。
※タイ証券取引所(SET)では厳密に分けると同業でも違うセクターで上場しているケースもある。 今回は原則セクター別の基準を準拠して解説。非上場の企業は今回は解説をせず除外している。
阿部俊之
ASEANJAPAN CONSULTING社代表取締役。市場調査、分析、マーケティング、企業設立を得意としている。ASEAN経済共同体(AEC)各国の業界マップを配布中。ご希望の方はTEL02-612-7323,MAIL:info@asean-j.net