タイ初のコスプレ雑誌創刊
“ひとり草の根活動”で開けた道


2010年にタイ初のコスプレ雑誌『コスモード・タイランド』を創刊。
2016年にはARLマッカサン駅構内にコスプレスタジオ「COSPRIZE」を開設。
タイのコスプレ業界の先頭を走る滋野さんが見つめる先は。

 

日本が「クールジャパン」と称して、アニメや漫画といったサブカルチャーを世界に強く発信してから5年以上。オタク=根暗なんて、今や昔の話。漫画やアニメのキャラクターになりきるコスプレも、日本を代表する文化のひとつとなり、その人口はタイでも年々増加しています。

そんなコスプレ業界に目をつけ、タイ初のコスプレ雑誌『コスモード・タイランド』を創刊したのが、滋野真琴さん。小学生の時から人一倍、漫画が大好きでそれは今も変わらず。登場するキャラクターへの憧れとともに、“眺める”ことが滋野さんの楽しみ方なのだそう。

タイに移住後は、グラフィックデザイナーとしてタイの出版社に就職。働き始めて8年ほど経った頃、バンコクではコスプレイベントが急増。同時に、コスプレへの注目度が上昇し、閃きます。

「タイ人とコスプレってすごいハマると思ったんですよね。写真を撮られるのも好きだし、日本の文化も好き。コスプレは絶対に需要があると確信し、タイ初のコスプレ雑誌を作ろうと思いました」。

その想いを当時の社長にぶつけたけれど、マーケットの将来性が理解されず一蹴。滋野さんは諦めず、コスプレイベントに足を運び、平均年齢や男女比、好きなキャラクター、知りたい情報は何かなど、そのニーズを自ら洗い出し、社長に訴え続けました。雑誌の創刊にたどり着いたのは、2010年10月。最初の提案から、2年後のことでした。

私利私欲は一切なし。
“好き”の延長でサポートしてます

『コスモード・タイランド』は、日本のコスプレ雑誌と提携。その情報を翻訳したものが4割。6割がタイ側で制作したコンテンツを載せています。滋野さんが初期からこだわっているのが、コスプレイベント参加者のスナップショットを欠かさず載せること。「見てもらいたい」コスプレイヤーの気持ちを、何よりも大切にしています。

5年ほど前からは、コスプレイベントの審査員としても活躍中。イベントやステージ全体の空気が大好きと言い、キャラクターの枠を超えてみんなで写真を撮り合うなど、日本とは異なる“オープンな交流”が見ていて気持ちいいのだそう。

「仕事としてというより、タイの人たちが純粋にコスプレを楽しんでいる姿を見られるのがうれしいんです。なので、正直に言うと点数なんてつけたくない。日本の文化を好きになってくれてありがとうという、感謝の気持ちしかないですね」。

滋野さんは、今年で15周年を迎える「世界コスプレサミット」のタイ代表オーガナイザーに昨年から就任。コスプレイヤーを“育てる”立場として、タイ予選を通過した代表者らの課題を見抜き、アドバイスやマネジメントを行うなど、さらに内側へと踏み込んでいきます。

「タイがこの大会に出場し始めたのは10年ほど前。いつもいいところまで進むんですが、あとちょっと、というところで終わっちゃうんですよ。もっとこうしたら良くなるのに……という想いがずっとあったので、オーガナイザーに選ばれ、とてもうれしく思います。初めての体験なので、この1年は挑戦と準備の年として、思いっきりチャレンジしたいです」。

現在、コスプレイベントはバンコクを中心に行われていますが、地方にも潜在的なコスプレイヤーがまだまだ隠れているのだそう。今後はもっと地方に表現の場を届けると滋野さんは言い、“ひとり草の根活動”は脈々と広がっています。

隔月で発行する『コスモード・タイランド』。「ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください!(滋野)」
E-Mail: shigeno@orinos.asia

 


PROFILE
滋野 真琴 Makoto Shigeno
タイ初のコスプレ雑誌『コスモード・タイランド』発行人であり、コスプレ関連事業を手がける「ORINOS BKK Co., ltd.」のCEOを務める。1974年生まれ。福岡県出身。1999年、タイ人の友だちに誘われ来タイ。グラフィックデザイナーとしてタイの出版社に勤務後、現職へ。影響を受けた漫画は『聖闘士星矢』。リフレッシュ方法はジムで汗を流すこと。

 


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エアポートレイルリンク・マッカサン駅
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毎日10:00〜22:00営業。
3時間/400Bから利用可能。
[問い合わせ]
Tell: 02-134-9645
Facebook: Cosprize


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