先祖代々の技術を受け継ぐ村に訪問
今回は、長年に渡って、タイの伝統的な黄銅器を製作し続ける「パアウ村」を紹介します。東北部ウボンラチャターニー県ムアン市ノーンコーン郡にあり、400もの家族が暮らす大きな集落。黄銅器作りのノウハウを、先祖代々引き継ぎ、もはやタイではここでしか作られていないと言われています。
黄銅器の工程は昔から変わらず、村の鋳物師により、一品一品複雑な工程を経て、丁寧に作られます。パアウ村の黄銅器は「OTOP(一村一品運動)製品」に認められ、購入も可能。かつては黄銅器作りを見ようと、多くの観光客が訪れていましたが、現在では伝統工芸に興味を持つ人が少なくなったせいか、観光客も黄銅器の注文も減少傾向とのこと。製品があまり売れなくて、自ずと鋳物師も減っているそうです。しかし、ある村人は「先祖から受け継いだ黄銅器作りを守り続けたい」と語り、売上がどれだけ減っても作り続けると話していました。
今回、タイ人でもなかなか訪れない、伝統工芸を守る村に来て、鋳物師の優しさや真心を感じることができ、うれしかったです。黄銅器に興味がある人はぜひとも行ってみてください。