知ってる? タイの名産“鶏柄器”
今週の“プンが行く”は、誰もが一度は見かけたことのあるはずのタイ北部ラムパーン県の名産品を紹介します。皆さん、屋台でクイティオを食べた際に鶏の模様が施された器(碗)を見たことはありますか? 多くのクイティオ屋台で使用される碗のほとんどが、ランパーン県で生産された「チャーム・トラーガイ」と呼ばれる鶏柄の椀です。
同県はタイ随一の陶器製品の生産地。なかでも前述の鶏柄の椀はとても有名で、同県を訪れた多くの観光客は、陶芸品を販売する「タナバディーセラミックミュージアム」に立ち寄り、こぞって陶芸品を土産として買っていきます。
同ミュージアムは2012年12月にオープン。設立のきっかけは同県初のセラミック陶芸を考案したアーパーイー氏の功績を称えるためでした。もともと同氏は中国出身で同国の伝統的な陶芸知識を有していました。タイに渡り住んだ同氏は1955年に県内で粘度鉱物の一種「カオリナイト」を発見し、セラミック陶芸作りに没頭。自らの陶芸工房を設立し、本格的に県内にセラミック陶芸が普及していきました。
そして同氏の孫である現タナバディー社のパナーシン・タナバディー社長が、衰退気味だった同県のセラミック陶芸の復活を願い、生産を中断していた伝統的な鶏柄の椀を1997年に開始。販売網を広げ、同県名産品としての専売特許を受けるまでに至ったそうです。同社長はさらに名産品と創始者を称えるために、同ミュージアムを建設しました。
さまざまなセラミック陶器が展示されているミュージアムでは、自分でペイントできるワークショップも体験できます。定休日はなく、朝9時から午後5時まで営業しているので、ぜひとも訪れてみてはいかがでしょう。