長谷場:アジア通貨危機を受けて緊急的に外資が資本の100%を持つことが認められたわけですが、これは2000年8月1日より実施された投資奨励策で恒久化されました。
ミィ:一時的ではなく、ずっとオッケーになったんですね。スゴイ!
長谷場:さらに、タイでの乗用車生産に義務付けられていた「54%以上の部品をタイで調達しなさい」という義務(ローカル・コンテント)も2000年1月に撤廃されています。
ミィ:外国企業はかなり自由にタイで活動できるようになったんですね。
長谷場:しかし、外資が資本の100%を持てるようになったのはBOIがサポートしている事業についてのみです。すなわち基本的に「製造業」については「立地にかかわらず外国人が過半数を超える、または全株式を所有することができるようになった」ということです。しかし…。
ミィ:しかし“BNK”をサポートしていない会社は排除されたと・・・。
長谷場:コラー、そんなわけないだろー!
ミィ:ひー、ごめんなさい〜。BOIです。BOIがサポートしていない事業は違うと。
長谷場:そう、製造業以外の例えば建築、小売業、レストランといったサービス業をBOIはサポートしていません。
ミィ:ということは?
長谷場:以前も説明しましたが、サービス業は1972年に制定された外国企業規制法が2000年に施行された外国人事業法と変わった後も規制の対象から外れることは無かったのです。このためタイ人またはタイ企業のパートナーを探して、過半数以上の株をタイ側に持ってもらわないといけないんです。そしてそれは2018年の今も同じです。
ミィ:いわゆるフォーティーエイト…
長谷場:よんじゅうきゅう!
ミィ:!! いわゆる49対51です。先生!
長谷場:そう、資本比率が日本49%対タイ51%のことですね。さて、アジア通貨危機は意外なところでも現在に影響を与えています。タイで日本から輸入された車を買おうとすると、ものすごく高くなるのを知ってますか?
ミィ:日本だと150万円ぐらいの車がタイだと300万もしますよね。物価は安いのになぜかって、不思議でした。
長谷場:それは、完成車には輸入する際に80%もの関税がかかってしまうことにあります。さらに物品税という贅沢税も自動車を買う際に払わないといけません。
ミィ:だから倍になってしまうんですね。
長谷場:実はこの理由はアジア通貨危機で減ってしまった税収を増やすために、1997年10月に関税が引き上げられたからなんです(引き上げ前の関税率は2400㏄以下42%、2400㏄超68.5%)。
ミィ:うわぁ~、そんなに高くなったら買えませんよ〜。
長谷場:そうなんです。結果として、この政策は輸入される車を減らして、タイの自動車産業を守ることにつながったんです。
ミィ:タイで車を買うときは、タイで製造された車を買った方がお得ってことですね!
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