“ミィ” 泰のビジネスを学ぶ BNK48大久保美織の挑戦

長谷場:プラザ合意のタイへの影響は覚えていますか?

ミィ:為替の影響力を勉強しましたよね。

長谷場:はい、プラザ合意の時はタイにプラスの影響がありましたが、今回は大きなマイナスの影響があったアジア通貨危機の話です。このアジア通貨危機は1997年に起こりました。生まれる前の話だから知らないかな?

ミィ:え?アジア通貨危機

 長谷場:ドル、円、バーツといった通貨の交換レートは市場(マーケット)で決まる、っていうことを説明したよね?

ミィ:あれから、毎日チェックしてますよー。経済感覚を磨いています。

長谷場:いつも勉強熱心ですね。でも1997年6月まで、バーツを売りたい人と買いたい人の間(マーケット)の需要と供給のバランスで交換レートを決めていたのではなかったんです。当時はタイ政府が1ドルを約24.5バーツと決めていました。1ドル持って来れば必ず24.5バーツに変えてもらえた。これを固定相場と呼びます。

ミィ:いつも同じレートって良いですね。損する心配がないし、この先、上がるのか下がるのかドキドキしなくていいですしね。

長谷場:そうですね。安心ですよね。日本も1973年までは固定相場でした。ちなみに現在のようなマーケットで交換レートを決めるのを変動相場と呼びます。

さて、1997年頃のタイは銀行の金利が良くて1年間銀行に預けておくと10%ぐらいの利息がもらえました。

ミィ:うわぁー! 夢のようですね。

長谷場:その分、物価も上昇してるので、通貨としての価値は同じなのですが。

さて、そうすると、例えば国外から100万ドル持ってきて、2,450万バーツにして銀行に1年間預ける。そうすると利息分として245万バーツが増えて2,695万バーツになる。ここで政府が1ドル24.5バーツと決めてくれているので、このバーツをドルに戻すと110万ドルになって持って帰れる。

ミィ:おお! 銀行に預けていただけで、そんなに増えちゃうんですか? 損しないで確実に増えるってスゴイですね。

長谷場:預ける方は損をする心配はないけれど、この仕組みを維持するためにはタイ政府は大量のドルを保有する必要があります。さっきの逆でいつでも24.5バーツを持ってきた人には1ドルを渡さないといけないからです。

ミィ:うーん・・・、確かにそうですね。

長谷場:24.5バーツならいいけど、何兆バーツも持ってきて「ドルに両替してください」っていう人が現れたらどうなるかな?

ミィ:えー! そんな人がいたら困ると思いますけど、そんな大金持の人いないですよ〜。

長谷場:それがいたから大問題が起きてしまったんです。詳しくは次回!

—次週に続く

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