モットーは、 “為せば成る”です
マネージングダイレクター 髙橋 正和
《プロフィール》
たかはし まさかず
■1961年生まれ。東京都墨田区出身。日本大学卒業。1984年入社、95〜99米国ダラス駐在後、日本にて営業一筋15年を経て2015年1月にタイ現地法人のトップに就任。現在に至る。
■座右の銘:為せば成る為さねば成らぬ何事も
■趣味:フラッグフットボール、サーフィン
■尊敬する人物:王貞治
■バンコクの行きつけの店:伊藤家(トンロー)
■愛用の腕時計:ROLEX オイスター パーペチュアル デイト
■よく見るまたは、活用しているウェブサイト:YAHOO
■休日の過ごし方:ゴルフ、フラッグフットボール
■社用車:ベンチュリー
改めて事業領域を教えてください
弊社は、2006年に川崎航空サービスとケイロジスティックスが合併して生まれました。当然、陸海空を使った荷の輸送=物流がメイン事業です。タイの地においての中心は、輸出入輸送で、そのうち前身(タイは、川崎航空サービス)の得意分であった航空貨物の輸出入(6割)が現在も強いですね。
おかげさまで、同分野はタイの経済が不景気と言われる中でも堅調に推移しています。また、合併以来着実に取扱量を増やしてきた海上貨物に加え、最近はタイ近隣国へのクロスボーダー輸送にも注力。航空券の手配を主要業務とするケイライントラベルも弊社の一部門となり、日系企業(駐在員)の出張や一時帰国の手配も請け負っています。
一方、弊社の強みを表すのであれば、突発的な輸送への対応力でしょう。つまりは緊急対応です。海上貨物ですと、手続き面でも時間に余裕があり、事前に準備できるのですが、「今日荷物ができるんです、明日の◯時までに◯◯へ届けて欲しい」という、宅配便のような案件はそうはいきません。国際貨物ですから、輸出入の通関手続きなども含めて即時対応するわけです。最後は、気合と根性のようなビジネスですよ。会社イズムとして“為せば成る”の姿勢が浸透していることは間違いありません。
ASEAN経済共同体(AEC)が発足し、経済回廊を使った物流が注目されています
前述のクロスボーダー輸送ですね。現状、東西、南部回廊など、タイを拠点とした陸ASEAN(ミャンマー、カンボジア、ラオス)を結ぶ路線は構築済みです。クロスボーダーの専門スタッフを配置し、需要があれば対応できる準備は整っています。既に、ラオス・ヴィエンチャン〜タイ・バンコクを結んだ定期輸送も行っています。ベトナム・ハノイ、ホーチミン、ミャンマー・ヤンゴンには現地法人及び拠点があり、域内クロスボーダーへの対応は万全です。
ASEANは注目地域ということは間違いありませんね
そうですね。“K” LINE LOGISTICSとして全社的に取り組んでいるのが、グローバル・コア・カスタマー(GCC)と題した、世界各国に展開されている高ポテンシャル顧客への更なるサポートです。また、世界の国際物流の多くを占めるアジア地域(一節には、半数はアジアを経由している)の中で、特にASEANに特化したサポート強化体制を図り、さらには産業別として自動車関連業界に特化した全社的営業を敷いています。現在、この3つの戦略に力を注いでいます。そこで、弊社の国内外のネットワーク拠点内で(顧客の)情報共有、当該顧客のモノの流れの効率化を踏まえた提案をすることで、輸送効率を高めながら、コストを削減するといったサポートにつなげています。
つまりは、AECの中心であるタイは重要拠点だと
ASEANの中心であり、自動車産業の大集積地であるタイは、弊社グループ全体でも最重要拠点であることは間違いありません。陣容も日本人12人、 ローカルスタッフを含め全体で300人体制と、1拠点で最も大きな組織です。
赴任して1年半と聞きました
“為せば成る”の気持ちで、体当たりで挑んでいます。タイに来てから、ゴルフをする機会が増えたのですが、先日、一緒にラウンドした方が会社のロゴの入った傘をみて「昔、川崎航空さんと付き合いがあり、他の物流会社が断るような案件も安全確実に引き受けてもらったんです」と言われました。今後は、ローカルスタッフにも“為せば成る”の精神を理解してもらい、日本人がいなくとも、「強み」を生かした戦略で事業を拡大させる陣容(幹部候補)に育てるのが命題です。
単身と聞きました
おかげさまで、仕事に没頭させてもらっています。初の(重要拠点である)現法トップとしての役割を担う環境としては最高だったかもしれません。とはいえ、休みの日は長年アメリカンフットボールをやっていたこともあり、タイではフラッグフットボールチームに所属しています。先日、インドネシア、ミャンマー、インド、マレーシアにある日本人チームが、タイに一堂に会して第一回(国際)大会を開きました。メンバーは皆、異業種の集まりなので、何も考えず、思いっきり楽しませてもらっていますよ。
編集後記
海運王国と呼ばれた“ニッポン”で御三家の一画を担う「川崎汽船」を母体とする“K” LINE LOGISTICS。同社グループの“K”をかたどった会社ロゴは、ファンネルマーク(船の煙突)の赤地に白のK。実は、川崎航空サービスを前身とする同社のロゴは、航空機の尾翼をかたどっているという。当初、伝統ある海運業というイメージから、髙橋氏の「為せば成る、為さねばならぬ」との一言は意外だった。今後、AEC発足後の新時代で、伝統と革新がどう融合するのか注目したい。(北)