TIS TISI(Thailand)Co., Ltd.

ローカル企業を持つ強み生かし
シナジー効果で日系企業へ貢献
マネージングダイレクター 増本 真洋 

《プロフィール》
ますもと・まさひろ
■1974年生まれ。大阪府出身。関西学院大学卒業
■愛読書:ビジネス書
■趣味:ゴルフ、体を動かすこと
■バンコクの行きつけの店:水琴、ハマ壱、di Vino
■愛用の腕時計:Baume & Mercier
■愛用の鞄:PORTER
■よく見るまたは、活用しているウェブサイト:ヤフージャパン
■休日の過ごし方:家族と過ごす
■社用車:パジェロ・スポーツ

 


 

タイ進出(2014年)から丸2年が経過しました
タイ進出の準備を開始したのが13年ですから、丸1年かけて準備していたことになります。2000年代初頭は、オフショア(人件費の安い場所でのシステム開発)を目的として、中国をメインに海外展開してきました。ご存知の通り、当時日系企業の中国+1が進むに連れて、顧客のASEANシフトとともに検討し始めたというわけです。

 

業務開始後3年が経過しましたが
タイはITリテラシーで言えば、先進国に比べそれほど高くはありませんでした。一方で、日系の大手システム企業はタイの通信インフラ整備の時代から進出する何十年戦士が出揃い、我々は後発組であることは確かでしたね。そのため中国での反省点である市場としてとらえたローカル向けサービスを軸に据えなければ、真のグローバル展開ではないと考え、“インアウト”(日本企業による現地企業のM&A)を戦略として、MFECとI AM Consultingを選んだというわけです。

 

MFECはタイでは言わずと知れたIT業界トップクラスの上場企業です。官公庁の大型案件や金融機関をはじめとしたタイの大手企業のシステム構築・運営管理を手がけ、まさにタイのITインフラを構築してきた立役者であり、ITのオールラウンダー企業と言えるでしょう。

I AM Consultingはタイ独立系ナンバーワンのSAPコンサルティングファームであり、SAP認定コンサルタントを200名超保有している企業です。

運輸・エネルギー・教育といったいくつかの注力業界を絞ってアプローチし、その各業界のトップ企業へコンサルティングからシステム導入に至るまで豊富な実績を保有しています。。

 

進出時点からタイのIT業界のなかでトップクラスに肩を並べたわけですね
ローカル市場を狙った以上、選んだパートナー企業は間違ってはいませんでした。もちろん、日系企業ですから日系向けサービスにも注力しています。

これも周知の事実ですが、タイに進出する日系企業の多くは製造業です。その現地に赴任する方々は自社の製品生産、資金・経理、人事などの多忙な本業をしながらIT分野もご担当されていることが多いと思います。またIT分野はタイ人に任されていることが多く、社内での推進・運営をお悩みでいらっしゃることが多いと伺っています。

こういった日系企業様にも、当社は保有するタイ現地企業の経験と実績とこれまで日本で培ってきた日系企業様向けのきめ細かいサービスをブレンドしてITサービスをお届けしていきたいと考えています。

 

進出3年目を迎え、これから基盤を生かす年ですね
TISグループは日本において1万社以上のお客様と取引させていただいております。タイ進出の日系企業様に「TIS=MFEC、I AM Consultingを認知いただく努力が必要だと考えています。

また5月にはエンタープライズ向けモバイルアプリ開発分野で高い技術を保有するPromptNowを買収いたしました。タイ政府が掲げている「epayment polcy」での施策推進により、タイの決済市場において大きな変化と拡大が発生する可能性があると考えております。

TIS自身、日本の決済分野において長年積み重ねてきた経験とノウハウを保有していることから、これらをこのタイの地で生かすことができるのではないかと期待をしています。

 

初の海外赴任と聞きました
海外駐在は初めてです。進出と同じ14年11月からです。進出前の準備段階(買収時の交渉)から携わっているので、立ち上げから軌道に乗るまでは責任があると感じています。

当時はデモの真っ只中でしたが、ビジネスとしては危険を考える余裕もなく、出張ベースで何度も訪れていました。とはいえデモが危険であることは承知でしたので、緊張感を持って取り組んでいましたよ。住んでからは、タイの良さを痛感しています。衣食住すべてが日本同等に揃う国はなかなかほかにはないでしょう。とても便利ですね。

 

休日はどう過ごしていますか
タイですから多少はゴルフを嗜みますが、多くは家族と一緒に過ごしています。今年4月に家族が来たばかりなので、休日は家族サービスに徹していますね。

 


 

編集後記
タイは経済発展とともにローカル企業も台頭し、企業間競争が激化しつつある。各企業が目下、力を注ぐのが勝つためのIT戦略。その最中に、現地上場企業を買収して進出を果たしたTISIの戦略は同社の並々ならぬ覚悟の現れか。海外企業のM&A交渉は至難の業。それをやってのけ、現地で自ら陣頭指揮をとる増本氏の印象は、予想を反して穏やかで気さくだった。新たな買収劇でさらなる盤石基盤を整える今後に注目したい。(北)

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