OMRON HEALTHCARE(THAILAND)

予防医療の啓蒙活動に注力
マネージングダイレクター 近藤 和英

《プロフィール》
こんどう かずひで
■1966年生まれ、東京都出身。法政大学文学部卒業。1990年入社、2010年より、海外勤務を経て、現在に至る
■座右の銘:初心忘れるべからず
■愛読書:戦略プロフェッショナル
■趣味:楽器演奏、鑑賞
■バンコクの行きつけの店:Baan E-Sarn Mungyos
■愛用の鞄: TUMI
■休日の過ごし方:ゴルフ、読書

 


 

現在の主な事業は?
国が成長する過程で、健康志向の高まりは必ず起こります。そうした潮流を見据え、弊社がアジア、とりわけ東南アジア戦略を展開し始めたのが1996年頃です。当初は、シンガポールを起点に1国1代理店を設けていき、少しずつOMRONブランドを浸透させて行きました。ブランド認知が高まるとともに、必要となるのがメーカー責任です。そこで、2012年頃から全社的にアジアシフトを進め、同年にインド、インドネシア、タイに販売会社を設立しました。私もそうした社内の流れに沿ってインドネシアの立ち上げ要員として同国へ赴任。15年に拠点をタイに移し、タイとインドネシアの両国を見る立場となりました。

 

ビジネスポートフォリア上のターゲットはどこが多いですか
圧倒的にコンシューマー向けですね。ただ、タイにおいては、政府が健康志向を助長しながら予算投下していますので、最近は、医療機関との機材納品以外での協力関係が築けはじめています。これも、過去20年にわたるブランディングによる効果だと思います。

 

具体的には?
一言で伝えるならば、“マーケットファースト”を貫いてきた点でしょう。直接、お客様と接点を持つ強みをいかし、情報収集を重ね、分析した結果をもとに、カスタマーサービスやデジタルマーケティングなどを使いながら、ニーズに即したサービスを進めてきました。まだまだ、日本に比べれば健康志向や高齢化社会に応じたサービスの質と量では、圧倒的にステージが早いことがわかっています。

 

例えば、家庭で血圧を図る習慣を根付かせ、予防医療につなげる、つまり日頃の健康管理の大切さを、医学的に浸透させる必要があります。まさに啓蒙活動ですね。それには、政府、病院、医療業界が連携をとる必要があります。

 

やれることは山ほどあると
はい。まさに健康分野は途上です。医療機器はすでに高い品質の製品を供給できる状況ですし、タイ政府や医師からも求められています。あとは、医療機器を日常的に活用することで健康状態を保てるという結果を、コンシューマーに伝え、理解を得られるかです。例えば、医師に受診せずとも、日常的に機器を使い、測ったデータが自動的にデータとして主治医に伝わり、それ(数値)を確認する中で、異常が発見された時点で、医師側から患者へ連絡をする。

 

こうした連携が図れれば、不必要な受診が減り、かつ、予防医療にもつながり健康長寿国となるはずです。それには、国民の意識変化、信頼性の高い医療機器、医師との連携の3つが必要なんですね。

 

立場上、タイと近隣国を同時並行で行うのは大変ですね
現在もインドネシアを見ながら、またインド、中国の4カ国も管轄しています。ただ、私1人でできることは限りがありますので、現地メンバーの活躍と信頼できる代理店との協働が必要です。管轄エリア内では成熟しているタイ国に重点を置きつつ、隣国の成長に合わせ最適な戦略を実行している。

 

タイはいかがでしょう
やはり、イスラム圏であるインドネシアとは違いますね。とはいえ、シンガポールも含め、日本から離れれば、文化・風習など、すべてが異なることに違いはありません。マーケティング、マネジメントなど、ありきたりですが、“全てがやりがい”だらけです。あとは、オムロン製品をその国に合った形で、いかに導入していくかです。そして、その国の人々の健康に貢献することが、私の責務であり、オムロンとしての義務です。
プライベートで言えば、初の単身ともあり、趣味の音楽(ギター)を楽しむ機会が増えましたよ。タイ独自の歌謡曲と呼ばれる“ルークトゥン”のライブも足を運んでいます。

 

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