「勝間和代の頭だけで100を切るゴルフ」の連載開始を記念して行われた弊社主催セミナー「未来が明るくなる女性の生き方」。昼夜行われた講演の昼の部では、「女性の生き方」をテーマに、勝間さんは約2時間に渡り、独自の理論を展開。「今後生きていく上で非常にタメになった」などの声もあったセミナー後、改めて同テーマについて、語ってもらった。
女性は働くことが◎
健康こそ美しさの秘訣
―バンコクでのセミナーは初めてですね。
そうですね。多くの人に集まっていただき、また皆さんに熱心に聞いていただいて、うれしかったですね。無料だと、来ない方も多く、それが怖いんですよ。拍手が長く続いたのもうれしかったです。お世辞の場合はすぐに止まっちゃうんで(笑)。
―食い入るように聞いていた人も多かったです。
特に結婚の話がウケていましたね。女性なら絶対にどれかに当てはまるんですよ(※1)。④が一番リスクが高く、離婚のリスクも高いんですよ。
※1女性にとってどういう生き方があるか?というテーマにおいて、①結婚しない②専業主夫に近い人をもらう③同格婚④自分よりずっと稼げる人と結婚する、という4つに分けられるということ
―女性がキャリアを築きたければ、②がいいとおっしゃっていましたね。
夫のことを文句言いながらも、結構続くものなんですよ。ただ、まれに夫が出世をしてしまって、逆転することがありますけど。奥様によっては、夫が働くのを嫌がる人もいますよ。職場で女性と会う機会ができてしまうので。
―日本ではあまり多くはないケースですね。
それが結構いるんです。私の周りにも何組かはいます。だいたい奥様は会社を経営し、夫は普通にいい人で、ルックスもかっこいいですね。ある家庭では、奥様が下請けの会社を作ってあげて、夫をそこの社長に据えて、彼はほとんどゴルフという(笑)。ただ、彼は家事も子育ても完璧なんですよね。だから奥様は満足しているという。そういう家庭は増えていくと思いますよ。
―男性はお金を持って、魅力的だと、ほぼ浮気をするとおっしゃっていました。
このバランスは本当に難しいんですよ。魅力的で、お金もある男性の多くは浮気をするわけです。モテるし、性質上、男性が浮気をしないのは非常に難しいんです。遺伝子を残そうという本能的なものもあるんですよね。顕著になるのは、女性が遺伝子を残せない年齢になってから。男性は50歳になっても遺伝子を残せますから、離婚して、再婚するんです。お金がある人は、それができますよね。
―魅力的な男性をつなぎ止める方法は?
一つは浮気を容認すること。見て見ぬふり。浮気を責めないことですね。その代わり、家庭としては地位を確保し、老後は一緒に過ごせるというメリットがあります。もう一つの方法は管理を徹底すること。23時以降の外出はさせないとか、メールは共有とか。物理的に浮気できないようにするわけです。あまりおすすめはしませんが。
―タイですと出張者のアテンドなどもあるため、なかなか難しいかもしれません。
大変でしょうね。ただ、なかには奥様が夫を迎えに行く家庭もあります。その飲み会が浮気じゃないかを確認するために(笑)。そういう方は夫がだいたい前科がある人ですけどね。
―とはいえ、どんな家庭でも女性が働くことをすすめていましたね。
そうなんです。どんなときにもリスクヘッジになりますから。夫と別れ、無職になっても生活できる基盤があればいいですが、なかなか現実的には厳しいわけです。シングルマザーの貧困問題はそこにあるんですよね。
―ルックスについても言及されていました。美男美女は、健康に見えると。
逆なんですよ。健康な方は、美男美女に見えるわけです。肌がキレイな人は、なぜ美女に見えるかというと、健康だからですよ。魅力的になるというのは、アプローチがそもそも逆で、魅力的になるようなプログラムで生活しているわけです。
―未婚者が増えているとおっしゃっていましたが、やはり結婚はした方がいいのでしょうか。
できるならした方がいいと思いますよ。ただ、本気でしたいのなら、結婚相談所に行くのが一番ですよ。奇跡的な出会いを待つよりも、理想の条件の人を紹介してくれますからね。
―未婚の人が増えている理由を教えてください。
男性の場合は収入が減っているのが1番の理由ですね。女性の場合は、自分の生活を犠牲にしてまで結婚したい人がいないということですね。そこのバランス。私、前にお見合いパーティの取材に行ったことがあるのですが、女性の1番人気は若くて、カワイイ子。わかりやすいですよね。男性は、イケメンは2番人気でした。1番人気は、高身長の公務員。
―そこなんですね。
おもしろかったのは、男性の1番人気が、女性の2番人気とくっつき、女性の1番人気が男性の2番人気とくっついたことです。市場って怖いですよねぇ(笑)。ただ、セカンドチョイス同士でくっつく場合も結構ありました。まさに結婚相談所はセカンドチョイス同士ともいえます。
―ルックスでいえば、100人中、30〜40位に入っていることが大切だとおっしゃってました。ルックスのよさが大切なのはわかりますが、悪いとデメリットが多い、ということなのでしょうか。
女性の場合、職業によります。接客業においては、ルックスのよさはかなりメリットがあります。普通のビジネス交渉では、メリットはそこまでないですね。どんなにキレイでも、言っていることが的外れであれば、信用はされません。ただ、ルックスがよくないと、最初は信用されないんですよ。疑ってかかってしまうから、話がまとまりにくい。ただ、今日来られていた皆様はキレイでしたね。理由は、お金持ちが多いからですね。可処分所得が多いからでしょう。
―化粧にこだわるよりも、肌をキレイにすることを推奨していました。
土台を整える方が、ずっとラクですよ。つまり健康が美人。美人になりたければ、健康になれ、ということです。病気の何が辛いといえば、家庭環境にも響くんですよね。まさに介護はその問題ですよね。
時間を作る方法は
誠実な人と付き合うこと
―人間の能力のバラつきの70%は遺伝によって決まっている可能性があるとおっしゃっていました。
残念ながら、少なくとも50%は遺伝とされています。ただ、どんな人にも優れた部分があるので、それを生かせるかどうかが大切。すべてにおいて優れている人はいないので、安心してください。例えば、ものすごくコミュニケーション能力が高い数学研究者はいません。ほとんどがオタクのような人ばかりです(笑)。逆に心理学者は数字にとても弱いらしいのです。
―強みを見つける方法はあるのでしょうか?
アメリカのギャラップ社が開発したストレングスファインダーというのがあります。それによれば、人間には34個の強みがあり、質問に答えていくうちに、その内の5つが見つかり、その部分を生かしましょうというテストなんです。私は原点回復という要素が低いのですが、それが強い人は医者などに向いているようです。私は学習欲という項目が強いので、学校の先生などが向いているみたいです。
―健康の大切さに言及されていましたが、具体的に何をされていますか?
とにかく自転車に乗っています。だいたい毎日移動のために30キロくらいは乗っています。
―ゴルフはどれくらいの頻度ですか?
月に2回くらい。東京から1時間くらいの移動で済む千葉県に行くことが多いです。自然豊かなゴルフ場も多く、安いですし。スコアは平均100切るくらいですね。調子がいいと90前半。もちろん80台も何回か出しました。
―ゴルフでメンタルが崩れたときはどう取り戻しますか?
今日は仕方ないなぁと割り切るだけです。ゴルフは急には上手くはならないので。ただ、なるべく整備されていないゴルフ場には行かないようにしています。ゴルフ場のせいにはしたくないんですよ。クラブはいいもの、ボールもいいものを使って、言い訳を作らないようにしています。
―麻雀や自転車、バイクなど非常に多趣味ですね。比重はどうですか?
麻雀に懸けているお金、時間を考えれば、ゴルフは10分の1ほどではないでしょうか。不得意を克服するための教養の一つとしてやっていますし、非常に勉強にはなりました。
―子育てもありますし、モチベーションはどうキープしてきたのでしょうか?
仕事は1日5時間くらいしか、したくないんですよ。できれば、ぼーっとしたり、趣味をしたり、旅行に行きたい。クリエイティブな仕事をするというのは、1日5時間くらいしか保たないと思うんです。7時間とか勘弁してほしいですね。10時間とか不可能ですよ(笑)。
―時間は限られていますが、どうやって時間を作っていますか?
まずは、スケジュールにはどんどん予定を入れています。2、3ヵ月先までは決まっていますね。あとはウソをつく人とは付き合わないようにしています。時間もコストも管理が大変なので。そういうのは無駄なのです。約束を確認するのも嫌なんですよ。リマインダーなども大変ですし。仕事も同じで、ウソをつく人とは絶対に取引をしません。あとは人によって態度を変える人とは付き合わないようにしています。非効率ですから。付き合う人を選ぶ。これが時間管理の方法の一つでもあります。
―付き合う人を見分ける方法はありますか?
2、3回付き合っていくうちに、その人が自分にとってコストが高いか、高くない人かがわかってきます。2回以上、連絡なしに約束を破る人とはなるべく離れるようにしていますね。
―セミナーでは、タイ語、英語を学べば、職に困ることはないとおっしゃっていました。やはり語学の上達は大切だと思いますか?
何よりも語学が一番ラクですよ。タイにいれば、学ぶチャンスも多いですし。
―勝間さんならタイで何をしますか?
日本に持って帰れるビジネスがないかを探すと思います。あるいは逆に日本からタイで売れるものを輸入するなど。そのためにはタイ語も英語もできた方がいいですね。そして、バンコクにはもはやビジネスチャンスはほとんどないので、地方に目を向けると思います。そういう場所はタイ語しか通じないので、やはりタイ語に商機があるでしょうね。