経済担当のソムキット副首相が日経フォーラムで登壇。ハイテク分野に新恩典を付与
7日、インターコンチネンタルバンコクにて、「日経フォーラム2016」が開催され、経済担当のソムキット副首相、BOI(タイ投資委員会)のヒランヤー長官が登壇。今後のタイ経済について、キーマンの声を聞くべく、数百人の日本人ビジネスマンが駆けつけた。
冒頭、ソムキット副首相は英国のEU離脱に触れ、「結果的にタイの株式市場は刺激され、バーツも高くなった。今こそ“アジアライズ”の時だ」と語り、“アジアのトップ4”である日本、中国、韓国、インドが香港や台湾、さらに東南アジアと協力することで世界一の経済圏ができるとし、RSEP(東アジア地域包括的経済連携)とTPP(環太平洋経済連携協定)に大きな期待を込めた。
話題となっている東部経済回廊“Eastern Economic Corridor”について、チョンブリー県、チャチューンサオ県、ラヨーン県の特別経済特区発展のため、ウータパオ空港、チュクサメット港の開発など新たな物流プロジェ クトを計画。エアポートレールリンクをラヨーン県まで延伸させ、レムチャバン港の拡張、ラヨーン県までの高速列車プロジェクトなど、経済エリアとしての魅力を存分にアピールした。
そして、「タイはデジタル・インフラストラクチャーに変わっていく」と話し、ハイテク企業のスタートアップ誘致を進めると説明。「タイはデジタル、電車、航空宇宙、航空、ロボットに関するテクノロジーなどの高度な技術が必要。これらに該当する企業と話し合いたい」と展望を明かした。
さらに日系企業にはお馴染みのBOI・ヒランヤー長官が登壇し、ハイテク分野における法人税免除の期間を、現行の最大8年から13年に延長する大盤振る舞いの施策を発表した。期間変更のため、早々に法律も改正するという。さらにそれら産業高度化に寄与する企業については、100億バーツの基金を使い、最大15年の法人税免除にも言及。詳細は近日中に発表されるとのこと。
日本人を目の前にこうした“トップセールス”はもはやお約束。労働力確保の頭打ちもすでに見えているタイにとって、ハイテク分野での成長はASEANでサバイブする唯一の方法といってもいい。産業の高度化こそ、急務であることは間違いない。