休みを利用し、アヤさんとして家計を助けていた女子学生
元雇用主から窃盗犯と訴えられるが、無実を主張
先日、19歳の女子学生が元雇用主から窃盗の容疑で告訴され、世間の注目を集めている。
事件が起きたのは昨年3月。女子学生のゴイさんは休みの間、ガイさんという女性宅で住み込みのアヤさんとして働いていた。しかし、あることをきっかけに退職。その後、ゴイさんは「ダイヤや現金など1000万バーツ以上の貴重品を盗んだ」とガイさんから訴えられた。ゴイさんは、警察から逮捕状が出ていることを知らず後になって出頭したため、警察には逃げていたと判断され、1ヵ月間拘留されることになった。
無実を証明するため、ゴイさんは弁護を依頼。弁護士のソンクランさんは「彼女は真面目で優秀な学生。窃盗を行うとは考えられない」と語り、事実を明らかにするため調査に乗り出した。ゴイさんによると彼女が働いている間、ガイさんから「香港で仕事をしないか」と何度となく誘われたとのこと。大学進学を理由に断っていたがしつこかったため、仕事をやめざるを得なかったというのが退職の理由だった。
一方、ゴイさんの事件が起きたのと同時期、別に同様の告発が行われていた。告発者のミンさんの母親は健康状態を理由にアヤさんの仕事をやめたその日、元雇用主のガイさんから400万バーツ相当の貴重品を盗んだといわれ、昨年12月から無実の罪で拘置されているという。
ゴイさんの事件と酷似した一件。しかも同じ雇用主、同じプラシャシューン署が担当したというから何やらキナ臭い。さらに調査を続けるうちに、ガイさんから窃盗の容疑をかけられた人間はほかにも4、5人おり、その全員が海外での仕事を打診されていたことがわかった。これに対し、世間は「ガイさんは人身売買に関わっていたのでは?」と疑いの目を向けている。
ソンクランさんは、ゴイさんの窃盗の証拠があれば同一件から下りるとしているが、いまだガイさんから提出される証拠は、画像の荒いセキュリティカメラの映像のみ。そもそも、1000万バーツの貴重品を所有していたかさえも定かではない。現在、ガイさんに関連する人物や事件の情報を集めるため、警察庁長官、警察庁中央捜査局局長の命令の下、捜査は継続中だ。