日タイ戦をタイ人と観戦

6日にバンコクで行われたロシアW杯アジア最終予選
パブリックビューイングで見た、タイのサッカー人気

 

W杯アジア最終予選、日本vsタイが、ラジャマンカラ・スタジアムで開催。観戦チケットが発売開始から2時間で完売するなど国全体で高い注目を集めていた。
タイでもサッカー人気が高いことは周知の通り。代表戦はもちろん、タイプレミアリーグには熱狂的なファンも多く、毎試合熱い応援を繰り広げている。また、ここ数年で代表チームは飛躍的に力をつけていると言われ、ファンからは「W杯への道は、そう遠くはないかもしれない」と期待を抱く声も。タイ代表のシーゴ監督は、「アジア№1の日本に勝つのは容易ではないが、怖い相手ではない」と自信を見せていた。
試合当日。タイ代表(戦象)のチームカラーである青のユニフォームを着たファンがスタジアムに集結。6万人の集客力を誇る同地はサムライブルーならぬ“戦象ブルー”で埋め尽くされた。外には、チケットを買えなかったファンも詰めかけ、パブリックビューイングの巨大スクリーン前は足の踏み場もないほど。若者だけでなく、小さな子どもからかなりの年配とみられる男性まで年齢層は幅広い。また、日本でも見られるようなファッションだけの“にわかファン”もチラホラといて、そんな光景が一層、サッカー人気の加熱ぶりを物語っていた。
タイ人に囲まれ、間違いなく日本人は自分一人。日本のユニフォームは着ていなかったが、明らかに日本人とわかるようで、視線が痛い。居心地の悪さを感じながら試合が始まるのを待った。
そして試合開始。「スースー!(頑張れ!)」と熱狂的な応援が続く。後半25分、日本のミスから得点のチャンスが回ってきた時、熱気は最高潮に。FWティーラシンのシュートは日本のGK西川に惜しくも阻まれ、ゴールならず。スタジアムはどよめきにも似たため息に包まれた。途中、雨が降ってきたが席を立つ者はおらず、試合が終わるその瞬間まで、代表チームを応援し続けていた。
結果、0―2と日本が勝利した。会場のファンからは「緊張からかミスが多かった」「GKガウィンの活躍などもあり、負けたがいい試合だった」といった声が。そして、自軍の負けに消沈しつつも、「日本のような強いチームとの試合が観れてうれしかった」と笑顔で語る彼らに、タイサッカーの明るい未来を感じた。

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