タイサッカーに爪あと残す
岩政 大樹
《プロフィール》
1982年1月30日生まれ。山口県大島郡周防大島町出身。ポジションはセンターバック。2004年、鹿島アントラーズ入団。2014年、タイ・プレミアリーグのBECテロ・サーサナFCへ移籍。タイ・リーグカップ制覇に大きく貢献した。10月27日、自身のブログで退団を発表し、ファジアーノ岡山に移籍が決定。元日本代表選手
タイサッカーに爪あと残す 日本屈指のCBが目指す道
—ブログに書いていた「キツい一年だった」というのが印象的でした
言葉も通じないし、サッカー感を共有できないなかでも、自分の仕事をやらなきゃいけなかったですし、生活面では家族とも離れていました。日々キツかったという気がしますね。
—タイ人と日本人のサッカー観の違いを教えてください
—「チームから煙たがられていた」とも書いていましたが、高いレベルを要求していたからでしょうか?
—サッカー観を全選手と共有できたということではない?
—チームの躍進に大きく貢献しました
—入団当初は、プレッシャーがありましたか?
—特別に意識することはなかったわけですね
—退団理由に関しては、家族と生活したいという気持ちが一番大きかったのでしょうか?
—日本へのこだわりを感じます
—タイでの一年は、経験として大きかったですか?
「なんとかなる」「帳尻が合う」と思っているところがあります。僕はあまり楽観的に考えないので、次の試合に向けて準備をし、計画性を持って練習しますが、その点が大きく違いますね。課題への取り組みなど、少し意識が違うのかなと思いました。
僕のやり方を崩すつもりはなかったし、サッカーにおいて大事な集中力、勝つ気持ちというのを、チームに要求しなければならないことがありました。それに関しては多少周りと意見が合わなくても、自分が周囲を高めていこうと思っていましたね。
共有するつもりはありませんよ。僕の考えが素晴らしいわけではないし、押し付けは意味がないですから。自分が示してきたものはありますが、すべてのチームメイトに根付いたかというとそれはどうかなと思います。
結果は確かに出ましたが、満足度は高くないですね。ただ、それはサッカーをやっているうちは永遠に感じないんじゃないですか(苦笑)。
最初はありました。ただ、前半戦で自分の立ち位置を確保できたので、そこからは別になかったです。ただ、終盤でタイトルが懸かったときはプレッシャーはありましたね。
意識しても変わらないですからね。ただ、僕は鹿島でタイトルを7つ獲っていますが、8つ目を獲ることと、タイで1つ目を獲ることの価値でいえば、タイの方が大きいですよね。
一番とは思っていないです。家族が理由なら、タイに来ていないですし。僕は33歳になりますので、一つのチームに10年間いることはできないですしね。
若い時ならJ 2 よりJ1、日本よりヨーロッパという考えもありますが、この歳になってそんなことは考えないですね。鹿島で得た経験とは違う経験をするということが大切。これからは引退後のためのキャリアを築くということです。
今後によって感じ方は変わりますので、ここで得たものを生かすということが大事です。一番の経験は、今までと違う経験を得たということ。また、これからは違う環境になりますので、そこでいろんな人間と接しながら、タイの経験が大きかったのか、明確になっていくと思います。