日本最大級の転職サイト「イーキャリア」を運営するSBヒューマンキャピタルとの電撃提携から1年。シナジーを発揮するタイ唯一の日系企業特化求人サイト「JOBSUGOI.COM(ジョブスゴイ)」にタイの人材市場について伺った。
提携から1年。タイの人材市場はいかがでしょうか
尾﨑 おかげさまで日系企業様への認知も広がり、営業開始から2年半で約300社の企業様のご支援をさせていただいています。タイは失業率が低く売り手市場であることに加え、離職率が約20%ととても高く、日本で採用活動するのとは市場が違い、長期的な活躍を前提に採用する日系企業にとって、とてもやりづらい環境であることは間違いありません。その環境の中で、これまでの従来の採用手法だとどうしても解決できないことが出てきます。例えば人材紹介会社を使い高いフィーを払って採用したのに戦力化する前に離職してしまい、それでも欠員枠を埋めなければいけないので再度採用をせざるを得ない。また、ローカルの低価格な求人サイトを使って採用活動を行っても、広告モデルが故の掛け捨てリスクがあり、登録している求職者層も大多数がタイローカル企業志向なので、応募が来てもミスマッチが多く採用できずに終わってしまう。これを繰り返して採用費が膨らんでいる日系企業様のお悩みをよく聞きます。
野上 こういった課題を解決するために、従来の手法のデメリットとなる部分を払拭してご支援をしております。具体的には、あえてWebサイト型を踏襲し採用コストを抑えていただきつつ、掛け捨てリスクをなくすご支援をしています。またこれまで日本で培ってきた経験を生かし、20万人以上のフォロワーを持つJOBSUGOI.COMのフェイスブックページなどのソーシャルメディアを活用した応募獲得や、ピンポイントなターゲットに合わせた直接的なプロモーション実施など、採用サポートもお客様のニーズに合わせて行っております。
これまでの採用手法とは一線を画しているわけですね
尾﨑 仰るとおりです。ビジネスモデルが違うので、お客様側で採用方法を選択してもらえればと思っています。加えて独自のマーケティング手法で日系企業様にとって適性のある人材を集めておりますので、早期のマッチングも図りやすくなっています。具体的には日系企業での就業経験がある方、日本語人材、英語人材を中心に、様々な職種、業種の経験者から新卒者までご登録いただいていますので、企業様のニーズに合わせてご支援が可能です。WEBのプロであり、かつイーキャリアでのノウハウを生かしたマーケティングではソフトバンクグループとして絶対の自信があります。だからこそ、WEBマーケティングでは“日系求人”というキーワードで常にトップをキープできているんです。それだけではありません。ジョブフェアへの出展やタイの大学でのセミナー開催といったリアルマーケティングにも力を注いでいます。
野上 実際にこれまでの採用活動よりも応募者のミスマッチが減った、離職率が改善した、採用コストを大幅に削減できたというお声をお客様から多数いただいています。
尾﨑 最近では、採用活動が活発な大手企業様から5名以下の中小企業様、設立間も無い企業様、また進出段階からご支援をさせていただくなど、ご支援の幅が広がっています。
1月は求人が動く時期ですね
野上 そうですね、年末にボーナスを支給される日系企業様は多く、年明けに退職が相次ぐというご相談をよくいただきます。また、求職者もそれだけマーケットに出てくるタイミングとなりますので、欠員補充のみならず、戦略的な拡大や組織体制を強化したい企業様にとっても採用するのにはとても最適なタイミングになると思います。
編集後記———
日本最大級の転職サイト「イーキャリア」を運営するソフトバンクグループのSB(ソフトバンク)ヒューマンキャピタルと、上級職や専門職分野でのヘッドハンティングに強みを持つグローバルリサーチ。日本でのメディア運営(WEB)はSBが一日の長を持ち、タイではグローバルリサーチの子会社尾﨑コンサルティングが先行する。理想の伴侶を得たシナジーははかりしれない。人材市場は、年に一度の大一番を迎えた。(北)