1件の投稿画像が発端となり、炎上騒ぎに
一方で“ネットいじめ”への批判に多くが賛同した
先月末、インターネット上に有名人2人の男性画像が投稿され、話題となった。男性のうちの1人は、タイの人気バンド「Polycat」のボーカル、ラッタナさん(通称ナさん)。もう1人は、SNSに自分の画像や動画を投稿して人気者となった、いわば“SNS発タレント”のテーピタックさん。投稿では、Polycatのファンが2人の写真を「そっくり」と並べて比較。「確かに似ている」「賛成」といったコメントとともに次々とシェアされた。なかには2人の容姿に対する悪口も少なからずあった。
拡散された投稿にはナさんがタグ付けされていたため、程なく本人の知るところとなる。ネットで盛り上がる中、ナさんはツイッターで「うるさい」と投稿。これに「ただの比較になぜ怒るのか」「テーピタックさんの顔がかっこよくないから嫌なのか」とネット民が反発。ナさんを“外見を気にする人だ”と非難した。
騒ぎが大きくなったことを受け、ナさんはフェイスブックでこの話題について言及。知人が(ナさんが嫌がると知りながら)何度も投稿写真を送り、からかってきたために「うるさい」とつぶやいたと説明した。また、顔を比較されて怒ったという批判に対しては否定。「テーピタックさんを無駄な騒ぎに巻き込んでしまい申し訳ない」と謝った。
「彼は嘘をついている」と言う者もいる一方、一般男性のカシディさんが自身のフェイスブックに「今回の件はネットいじめのいい例」と投稿すると、3万1000人もの「いいね!」が付き、7500人がシェア。カシディさんは「“テーピタックさんがブサイクだからナさんは怒った”と思っている人たちこそ、テーピタックさんを差別している」とし、「ただのジョークだと言う人は彼らの人権を軽んじている。有名人だからといって、おもしろ半分でSNSに投稿していいわけではない」と批判した。
このような有名人へのネットいじめは、大なり小なり日本でも起こっている。SNSの熱に巻き込まれることなく、カシディさんのように冷静な目で判断し、他者に伝えていくことが求められるのではないだろうか。