道路から鉄道へ。
変貌を遂げるバンコク都市模様
時代は、「道路」から「鉄道」へ。地元紙バンコクビズの特集に銘打たれた見出しだ。建設が進むバンコク都市鉄道計画によって、市民の足が、車から電車へと変貌するという。すでに沿線では、今後の交通利便性向上や沿線開発の波及効果が見込まれ、地価が高騰している。
財務省財政局が4年ごとに発表する土地鑑定価格では、2016年1月から適用される土地評価価格は、現在に比べ約20%も上昇するというのだ。なかでもBTSやMRTが通るシーロム通りは、1平方ワー(4㎡)あたり85万バーツに達し、続いて、ラチャダムリ通り、ラマ1世通り、プルンチット通りも同80万バーツとなる。
だが、これらの価格はあくまで指標。当然ながら、実際の土地価格(売買)は違う。民間不動産調査会社AREAによると、2015年のバンコクの地価は、伸び率が鈍化するものの前年比3%上昇すると見込む。ちなみに、同社が調べた前述(80万バーツ)の3通り付近の地価は、1平方ワー当たり175万バーツ。さらに、BTSナナ駅〜アソーク駅間(スクビット・ソイ1〜ソイ21)は同170万バーツで、シーロム通り(同社調べ)の価格150万バーツを上回っている。
既存路線に比べれば、まだまだ価格は安いが、シーロム線の延伸区間(サパーンタクシン駅〜バンワー駅)では、付近の地価が開通後14%も上がり、建設中のMRTフアランポーン駅〜バンケー駅に至っては、昨年から、すでに12%値上がりしている。
最後にバンコクビズが掲載した高騰必至のエリアを紹介する。
先ずは、東南アジアで最も高い超高層ビルが建設予定のMRTラマ9世駅付近。すでに大規模な複合不動産開発ラッシュが始まり、土地の価格上昇が続く。次に、17年開通予定のパープルラインとピンクラインが交差するタオプーンエリアとケーライエリア。タイ国鉄バンスー駅がある同付近は、数年後、中央駅がフアランポーンからバンスー駅に移転することもあり、注目度は高い。ほかにも、計画中の都市鉄道路線の交差エリアの上昇は間違いない。近い将来、バンコクの都市模様が一変する日も近い。