減らないロットゥー事故

タイ国民の長距離移動の足、ロットゥー(乗り合い式のミニバス) 慣れ親しまれる一方、毎年多くの事故が起き、安全面に疑問符も

新年2日午後、東部チョンブリー県で、バンコク〜チャンタブリー県を走るロットゥーが反対車線に乗り出し、対向車に激突。

合わせて25人が死亡するという痛ましい事故が起きた(タイローカルニュース参照)同運転手は元日、2日の両日で同区間(距離約250㎞、片道約7時間)を5回、走行しており、睡眠不足による居眠り運転が事故の原因とみられている。

タイでは毎年、年末年始に、交通事故の発生数がそのほかの時期に比べ急増する。

内務省によると、2016年12月29日から17年1月4日までに起きた交通事故は3919回、死亡者478人、負傷者は4128人で、いずれも15年を上回った。

タイ消費者協会が行った公共交通機関による事故調査(対象期間16年1月〜11月)では、ロットゥーによる事故が最も多く、215回。

負傷者は1102人、死亡者は103人に上った。

事故の主な原因は運転手の不注意によるものだが、座席の無理な増設や、ガソリン車であるロットゥーを(よりコストのかからない)LPガス車や天然ガス車に改造するなど、安全基準を満たしていないことが起因の事例も多く見られた。

3日には、溝がすり減ったツルツルのタイヤで走行していたロットゥーを、交通警察が検挙した事件がSNS上に投稿され、世間の大きな注目を浴びた。

これをきっかけに、同SNS利用者からは、ロットゥーに関する体験話が次々と投稿。

その中には、「満席でも、スペースがあれば乗客を立たせて乗せていた」、「タイヤが外れそうでも走っていた」といった目撃談もあり、ロットゥー運転手の安全意識の低さが浮き彫りになった。

ロットゥーによる大事故は毎年起きており、事故防止策も講じられているが、未だ解決にはつながっていない。

陸軍司令官のチャレームチャイ大将は「16〜17年の“危険な7日間”の死亡者数は前年度よりも多く、由々しき事態。

(こちらが)どんなに対策を練ったとしても、運転する側がそれを守らなければ効果はない」と、改善されない現状に憤りをみせた。

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