“美”を求めるのはヒトの性。 美意識の高いタイに潜む罠。
スパやエステ、医療クリニックが街中にあふれる美容大国タイ。他国に比べ安価で施術が受けられることもあり、美容整形ツアーなるものでやって来る人も少なくない。
しかし今回、その“美”を求めた1人のレディボーイが、美容整形で命を落とした。
10月28日、ラムパーン県ムアン郡の美容クリニックでレディボーイのチラチャヤー氏(22歳)が豊胸手術を受けたところ、容体が急変。
すぐに病院へ搬送されたが、29日夜、帰らぬ人になってしまった。
警察は今月12日、チョンブリー県パタヤ市で、行方不明中であった同クリニックのタナットポン容疑者(29歳)を過失致死、また、医師免許を持たずに医療行為を行ったとして逮捕した。
同容疑者は容疑を認めたものの、「安価で治療を受けるからには、それなりのリスクが発生するのは当然のことだろう」と、無反省。
被害者家族からの損害賠償金320万バーツについては、支払う余裕がないという。
同容疑者の逮捕をきっかけに、警察へは同クリニックに対し計4件の被害届が提出された。
度重なる無免許医師による事故。
現在、タイ政府は摘発のため、特に取り締まりなどは行っていないという。
美容、という名称が付いているものの、身体にメスを入れるのは病院同様。
国として厳重に措置を図るのと同時に、患者一人ひとりの自己責任のもと、“真の美”を手に入れて欲しいと願うばかりだ。