「トンローでの強盗事件」。犯人を現行犯逮捕した日本人から
直接話を聞くことができた。現場では一体、何が起きていたのか?
昨年11月18日深夜1時過ぎ、花岡宏旨さん(37)は、トンローのバーで飲み、家に帰ろうとスクンビット通りを駅方面に向かって歩いていた。
携帯を触りながら、うつむき加減で歩みを進めていると、いきなり何かが視界を遮ったという。
次の瞬間、携帯を何者かが掴み、奪おうとしているのに気づいた。花岡さんは即座に抵抗。一進一退の奪い合いが続くと突然、腹部に痛みを感じた。
「ドライバーで刺してきたんですよ」。
身の危険を察知した花岡さんは、合気道のような格好でドライバーを持つ手をひねり、羽交い締めに成功。
しかし、再び肝を冷やす事態を目の当たりにする。眼前に強盗犯の仲間と思われる2人がバイクにまたがってこちらを凝視していた。
「3対1になったらどうしようもない。飲んでいた店に、犯人を羽交い締めのまま連れていきました」。
バーのスタッフがすぐに犯人を取り押さえ、トンロー警察に通報。花岡さんは店を出て、共犯者2人を威嚇すると、犯人らはその場から逃走していった。
5分後、トンロー警察が到着し、犯人を連行。花岡さんも警察署に同行した。
犯人の所有物からは6、7個の携帯が発見され、車上荒らしの余罪も判明した。花岡さんは英語もタイ語も通じないなか、車上荒らしの被害者としてやってきたタイ人女性になんとか通訳をお願いし、警察に事情を説明することができた。
また、気がつけば共犯者と思われる容疑者数人が連行され、花岡さんはマジックミラー越しに犯人を証言し、2人目も御用。
その後も事情説明は続き、トンロー警察署を出た時には、朝の7時をまわっていた。
事件から3ヵ月経った2015年2月18日、3人目の容疑者が捕まった。出家し、姿を隠していたという。
事件を振り返り、花岡さんは「警察署でたまたま犯罪マップを見たんです。トンロー周辺でも毎日、何かしらの事件が起きています。
特に日本人はお金を持っているイメージなので、気をつけるべきですね」と注意を促した。
スクンビットエリアは、比較的安全だと言われているが、こういった事件が起きているのも事実。
やはり海外にいる以上、危険に対しては最低限、気をつけなければならない。
続きはこちらから>タイの刑事裁判に潜入! (前編)〜”トンロー強盗事件”の初公判