タイに差した一筋の光。国王の戴冠式は来年10月以降
ワチラロンコン皇太子が新国王に即位された。
12月1日、王宮にて国民立法議会のポーンペット議長、プラユット暫定首相、ウィラポン最高裁長官、プレーム暫定摂政がワチラロンコン皇太子に謁見、即位を要請し、それを受諾されたことで正式にチャクリー王朝の第10代(ラマ10世)の国王となられた。タイでの国王即位は、実に70年ぶり。即位の儀式にあたる戴冠式は、来年10月以降を予定している。
同暫定首相は「前国王が逝去されたとき、皇太子は国民とともに悲しむ時間が必要でしたが、50日が過ぎ、今回即位していただいた。タイ王国には国王が必要なのだ」と正式に発表。即位した日付については、前国王崩御の10月13日とした。
新国王は1952年7月28日生まれ。64歳。前国王の長男で、二十歳のとき、正式にチャクリー王朝の後継者と認められた。英国やオーストラリアの士官学校、ニューサウスウェールズ大学などにも留学。防衛大学も卒業され、ヘリコプターから戦闘機、旅客機までも操縦することで知られている。76年にはタイの地方で破壊活動を繰り返す共産主義者との戦闘にも参加されたという。
皇子女は3人で、長女のパチャラキティヤーパー王女(38)は検事、次女のシリワンワリーナーリーラット王女(29)はファッションデザイナー(ブランド名はSirivannavari)、ティパンコーンラッサミーチョート王子(11)はドイツの学校に通われている。
その人柄を表すエピソードとして、米国訪問の際、現地タイ人と面会し、「あまり話すのは得意ではない」と発言され、シャイな方だと言われている。先日までドイツで生活されていたため、近年ではそのお姿をタイで見かけることは少なくなったが、「Bike for Dad」のイベントで自ら自転車を運転され盛り上げるなど国民に親しみを与えられていた。
しばらく暗澹とした空気に包まれていたタイに一筋の光となった新国王の即位。当然、新国王の誕生は政治にも影響し、新憲法の公布に際しては国王が署名されることで、選挙を実施することができる。何かとネガティブなことが続いた2016年だったが、ここに来てようやく明るい兆しが見えてきた。
新国王の即位を心よりお祝い申し上げます。