知ってる? TCCグループ

ビッグCに続きKFCも買収。グループ名よりも浸透する傘下企業

 


ビール「チャーン」などを製造・販売するタイ・ビバレッジ(以下タイビバ)は9日、ファストフード店「ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)」を展開するヤム・レストランから同社の直営店240店を買収すると発表した。買収額は113億バーツを見込む。

タイのKFCは約600店。ヤム・レストランの直営店以外は、小売り大手セントラルグループが219店、レストランツ・デベロップメント(RD)が123店を運営している。 ヤム・レストランは、「今後は、FC方式で多店舗展開を図るため、直営店の譲渡先を探していた。タイ全土で800店舗を目指す」という。

初のファストフード事業に乗り出したタイビバが、巨大財閥“TCC”グループの中核企業であることを外国人の多くは知らないかもしれない。むしろ、ブランド名にも使われるCPグループやサハ・グループの方がよく聞くだろう。だが、タイで生活をする上で、TCCグループの恩恵を受けない日はないほど、グループの多くが生活に密着している。中核企業タイビバは前述のとおり、ビールのほか、水、スポーツ・栄養ドリンクといった飲料大手。傘下には、緑茶飲料と日本食レストランを展開するタイ上場会社オイシ・グループを持ち、工業団地を中心にレンタル倉庫サービスを展開するTICONのほか、タイ小売り大手ビッグCスーパーセンターも2016年3月にフランスのカジノ・グループから買収したばかり。他にも、印刷・メディア大手のアマリン・プリンティング、不動産関連ではインペリアルグループ、日本人にもお馴染みの商業施設「ゲートウェイ・エカマイ」や「アジアティーク ザ リバーフロン」も同グループに含まれる。

まさに、コングロマリット企業のTCC。17年版の米経済誌「フォーブス」が発表した世界長者番付でも同グループ総裁のチャルーン氏が堂々の60番(タイNo.1)で、総資産は5,916億バーツ。M&Aによる急拡大を見せるTCCから今後も目が離せない。

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