割れ物を粗雑に扱う配達員がネット上で話題に。
サービス向上に努めるというタイ郵便だが、今後はいかに?
昨年からインターネット上に、「タイの郵便事情がヒドイ」というさまざまな投稿が寄せられている。荷物が破損した際、受取人にバレないよう配達員が代わりにサインしていたこと、荷物が理由もなく行方不明となり未だに届かないことなど、利用者からの不満が続出している。
フェイスブックでは、ドイツからタイへ送られた名誉ある映画賞のトロフィーが、見事にボキリと折れている写真がアップされた。日本のテレビ番組でも、タイで割れ物を送るときは、割れ物シールはあるものの、それだけでは不安なので荷物にメッセージを書くといったことが紹介された。「壊れやすいから頼むぞ」「蹴るな、蹴ったら呪ってやる」と表に大きく書き、配達員へ注意を促すという。
海外の宅配会社もタイに多く進出しているなか、これに対抗するかのように、タイ郵便が今年の事業計画を発表した。「2015年のチャレンジは、顧客のニーズに応じること。そして競争力を高めること。まずは配送による破損率を引き下げたい」という。現在の破損率は、「100万個に30個」らしい。
今後は配送員の作業をチェックする体制をしく。さらに4億バーツを投じ、1300ヵ所あるカウンターのサービス改善に努めるようだ。また、AEC(ASEAN経済共同体)発足と、拡大するeコマース産業に向けて、「Thailand Post Distribution」も設立した。
近年、ネットショッピングなどeコマースの成長により、配送量が増加。このため従来のバイクに加え、車での配達もスタートした。さらに、国際スピード郵便も右肩上がりと好調のため、飛行機での配送も拡充するという。近い将来には、自宅での荷物引き取りサービスも開始する予定だ。
また、各郵便局を「スーパーサービスセンター」とし、会社登記簿や政府機関の書類を発行するなど、郵便事業だけにとどまらない、マルチサービスを行っていく。
2月には、タイ郵便の新社長が発表される予定もあり、より良いサービスを期待している人も少なくないようだ。