考える力を“楽しく”育てる
こどもクラブ・バンコク教室主任


昨年5月にオープンした「こどもクラブ」の立ち上げスタッフ
として、タイへ移住した花田友香子さん。日本での教員生活に
区切りをつけ、一度は離れた教育の現場に再び戻った彼女を訪ねました。

「これは何色かな?」「よくできたね! すごい!」———明るい声を教室に響かせるのが、花田さん。勤務先である「こどもクラブ」で日々、1歳から小学生までの子どもたちと向き合っています。

もともと日本で13年間、特別支援学校の教員として勤務し、自分の仕事に納得できたことで退職を決意。ずっと頭にあった海外暮らしの実現をとカナダ、アメリカへの留学を経て、現職としてタイ生活が始まりました。

日本国内はもちろん、香港やシンガポールなど海外に展開する「こどもクラブ」。バンコク教室の立ち上げスタッフとして選ばれた花田さんですが、当時はタイに知り合いもおらず、同期のスタッフと「教材はどうする? アレってどこで手に入る?」などと相談しながら、すべて手探りで進めてきたと苦労を覗かせます。

けれど授業では一転。日本での教員経験とともに、タイに来る前に香港とシンガポールの教室で丸1年実践を踏んで来たため、慌てることはなかったと笑顔を見せます。

「授業の進行には慣れていましたし、香港とシンガポールでベテランの先生たちの動きを見てきたおかげで、現場でどう対応するかイメージができていました」。

“できた”という経験が、
次の“頑張り”に繋がります

子どもの成長速度はさまざま。すぐにできる子もいれば、長い時間を要する子もいます。得手不得手も人それぞれ。

だからこそ花田さんは、子どもたちの些細な成長や変化を見逃さないよういつも目を配ります。最初は席に付いていられなかったり静かにしていられない子も、声をかけ続けると1カ月経つ頃には、“聴く態度”に成長が見られると言います。

「子どもたちを飽きさせないように工夫するのはもちろんですが、少しでも成長した部分を見つけて褒めてあげることで、“できた”という自信に繋がります。

それが“楽しい”に結びつき、“次も頑張ろう”へと変化していく。そのサポートが、私たちの役割だと思っています」。

授業は幼児で1回90分。一人の先生につき、生徒は基本5人までとし、同期の日本人スタッフと協力しながら、子どもたち一人ひとりのペースを見て、授業を進めていきます。

入会理由として一番多いのは、「日本と同じ教育が日本語で受けられる」から。教室では年長クラスの時に小学1年生の内容が分かるレベルを設定。本帰国しても、スムーズに学校に馴染めるような体制を整えています。

加えて、海外でも日本の四季や文化が感じられるよう、教室内にはそれぞれの季節の花や行事の張り紙、イラストなど、日本を感じられる工夫が施されているのだそう。

「私は聾学校時代、幼児に言語や発音指導なども行ってきました。日本語教師の養成講座も修了し、バンコク教室では名称や言葉の語尾、助詞や正しい文脈を伝えることも意識しています。

日本語や日本文化に触れさせたいという声にも、応えていきたいですね」。

気づけば、もうすぐ開校1周年。目まぐるしい日々を送りながら、思い出すのは教員時代の先輩の言葉―――「自分の子どもじゃないからこそ、教育できるんだよ」。

親の立場だったら感情移入しすぎてしまうところを、教育者なら平等に客観的に見ることができる。親の目と教育者の目。花田さんは保護者と連携をとりながら、子どもたちの可能性を広げていきます。

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真剣な眼差しで授業を受ける子どもたち


PROFILE
花田 友香子
Yukako Hanada
1978年、青森生まれ。教育学部を卒業し、幼・小・中学教員免許(英語、数学)を保持。特別支援学校の教員として北海道で13年勤務。2014年からカナダ、アメリカへと留学。香港、シンガポールの「こどもクラブ」を経てバンコク教室立ち上げに参加。16年から現職。趣味は運動。好きな言葉は「人は木石に非ず」。

 


こどもクラブ

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1971年創設の幼児教室・小学生塾。柔軟なステップアップが図れる幼小一環教育を導入。対象は1歳から小学6年生。詳細は下記まで。

[問い合わせ]
Address: 18th Fl., GMM Grammy Place, Sukhumvit 21 Rd.
Tel: 02-039-0066(日本語)
Time:火〜土 9:30〜19:00
Website:www.codomo.co.jp
Facebook:こどもクラブバンコク教室


編集部より
幼児の時の学びが、小学校に上がった時のベースになる。取材中にその言葉を聞き、自分の幼少時代、こどもクラブのような教室が近くにあったら良かったなとしみじみ思いました


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