訪タイ。天皇、皇后両陛下

日タイ修好130周年。親密な皇室と王室の関係が、両国の絆強固に

 

天皇、皇后両陛下が3月に、タイを訪問されることが決まった。昨年10月に崩御されたプミポン前国王の弔問のためだという。天皇陛下のタイ訪問は即位後3度目で、2006年に開かれた、前国王の即位60周年祝賀行事に出席して以来となる。報道によると、王宮に安置されている前国王のひつぎへの供花や、記帳などが検討されている。
ご存知の通り、今年は日タイ修好130周年でもある。タイで最も有名な掲示板サイト“パンティップ”では、タイの友好国ランキングと題したスレッドで、“日本”との回答が一番多かったというから、両陛下の訪タイを前に、友好の気運は上々だ。
日本の皇室とタイの王室は親密な関係にある。前国王は1963年に日本を初訪問。翌年には、当時皇太子だった天皇陛下が昭和天皇の名代としてタイを訪れている。
プミポン前国王は、魚類学者として知られる天皇陛下(当時皇太子)を迎えるにあたり、カセサート大学の水産学部と水産博物館へお連れしたという。当時の様子について、同大学のトーン博士兼副学部長は自身のフェイスブック上で、こう綴った。「外国の要人を出迎え、魚をお見せしたのは初めてのことでした。明仁天皇は、足を止め、タイで発見された魚プラーブー(マーブルゴビー)を見つけると『これは著名なスミス博士が見つけたのですか?』と質問され、周囲が、その博学ぶりに脱帽したそうです」。
また、訪タイ中、前国王と天皇陛下は多くを語り合い、当時のタイの食糧事情の厳しさを知った陛下が、タンパク源として注目された、ティラピアを50尾贈り、「ティラピアの養殖」を提案。それをタイ政府が受け入れたことで、現在、タイで広くティラピアが食されているという逸話は有名だ。
その後、お二人は半世紀以上にわたり、親交を深め、昨年の国王崩御に際しては、亡くなられた13日夜から3日間、お気持ちとして喪に服し、12月の記者会見では「即位60周年のお祝いに参列したことをはじめ、親しく交流を重ねてきた日々のことが、懐かしく思い出されます」と思い出を語るほど。
2017年。両国の絆がさらに強固になることは間違いない。

 

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