警察3000人でも逮捕できない住職

創設以来、拡大し続ける新興宗教のタンマガーイ寺院 世間が囁く同寺院の真相が暴かれる日は来るのか?

信者に多額のお布施を要求するなど、金にまつわる噂が絶えないタンマガーイ寺院。

昨年、交通渋滞を引き起こすほどの大規模な巡礼を行い、さらなる世間の注目を浴びた。

通常、巡礼は中心部から離れた場所で行われるが、同寺院の僧侶らは都市部で実施。

巡礼の儀式の中では、UFOのような巨大な乗り物も現れ、道路を一時塞ぐなど、一般市民に影響を与えた。

これに対し、全国規模でタンマガーイ寺院の巡礼活動に反対する看板が設置。

SNS上でも同寺院の行為に多くの批判コメントが投稿されるなど、世間は大きく反発した。

1970年、パトゥムターニー県に創設された同寺院は、広さ2000ライ(1ライ=1600㎡)を誇る施設を所有し、これまでに信者から受けたお布施は数億バーツ以上とされている。

裏取引や権力者との癒着により勢力を拡大していると言われ、タクシン元首相やタイ大手携帯通信会社の元CEO、ブンチャイ氏など、有名な資産家や政治家なども入信。

巡礼に参加する姿が度々目撃されている。

一方で、国内最大の掲示板サイトPantipには「(この寺院では)“布施すればするほど高い徳を積める”と信者を煽っている」、「本来の仏道とは異なる教義を教えている」、「事実をねじ曲げた話を伝えている」といったコメントが寄せられるなど、黒い噂が付きまとっていた。

そして6月、某信用協同組合のマネーロンダリング事件に関与した疑いで、最高検察庁特別捜査事務局(以下DSI)はタンマチャイヨー住職を告発。

このまま、同寺院の数々の悪事が白日の下にさらされるかと思われたが、同住職の身柄を確保しようと寺院の強制捜査に乗り出したところ、信者たちによる妨害を受け、一旦断念。

DSIは12月に入り、3000人の警察官を配置し、「16日までに逮捕する」と意気込んでいるが、現在(12月14日)まで、逮捕には至っていない。

日本では考えられないが、タンマチャイヨー住職にたどり着くまでには、強固な“信者の壁”以外にも“見えない力”があるとされ、逮捕までには時間がかかると言われている。

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