迷走するエラワン廟での連続爆発事件

ソムヨット長官を中心に行われた爆発事件の解決に向けた会議

ソムヨット長官を中心に行われた爆発事件の解決に向けた会議

 

未だ掴めない解決の糸口。
安心できる日常はいつ戻ってくるのか……

8月17日のエラワン廟での爆発事件が発生してから、すでに1週間以上が経過。警察は情報提供者に1200万バーツの懸賞金を出すとしているものの、捜査は一向に進展せず、逮捕状を出した2人の容疑者の身柄も拘束できていない。それどころか犯人の国籍すら未だ特定できず、捜査は明らかに難航。現在はタイ人ではないという見方が強いが、決定的な証拠はなく、国外逃亡したという説も報じられている。

すでに事件の続報も少なくなってきたが、改めて流れをおさらいする。犯人は爆弾が入ったバッグをエラワン廟に置き、現場から逃走。防犯カメラから割り出された似顔絵が公開され、タイ語ではない言語を話していたこともわかっている。逮捕状は発行済み。また、18日にサトーン船着場で爆弾を落とした青いTシャツを着た男にも逮捕状が出されており、ともに全容の解明を急がれているのが現状だ。

解決策を見い出せない状況から、世間からは警察に対する不満も噴出。タイ国家警察庁のソムヨット長官は、捜査が遅れている理由について、路上に設置されていた多くの防犯カメラが壊れており、決定的な証拠を掴めないことを挙げ、現在では国際警察に協力を打診しているという。

警察の発表が二転三転しているのも、歯がゆさに拍車をかけている。事件が起きた当初は「外国人説」が疑われたが、途中から「国内テロ組織」に変わり、そして今では再び「外国人説」という見方が強くなっている。国籍については、中東からトルコ、スペインなども出てくるなど、まさに迷走ぶりがうかがえるだろう。最新情報では、脱獄犯まで登場。今年4月、タイに不法入国した17人のウイグル族がサケーオ県の刑務所から逃げ出し、14人が身柄を拘束されたが、3人が逃走したままだった。そして、その3人が新たな容疑者として浮上し、現在も捜査が続いている。

8月28日時点で、先が見えない連続爆発事件。このまま何事もなく過ぎ去り、本来の日常が戻ってくるとは到底思えない。今はただ、心に残る鬱蒼とした不安感が取り除かれるのを願ってやまない。

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