有名人も多数保有する「ルーク・テープ」とは?
信じるか信じないかは、あなた次第……
日本でも、古来より人形には「魂が宿る」とされ、「髪が伸びる」や「深夜徘徊する」といったオカルトめいた話は尽きない。良心の呵責からか、中には、古くなった人形を手放す際に、“人形供養”をする人もいるほどだ。
最近、タイのSNS上で「ルーク・テープ」なる子どもの人形が、「金運を高める」や「幸せを呼ぶ」と話題になっているという。
さっそく、SNSを覗くと、そこには乳幼児(20㎝)ほどのリアルな人形を抱きかかえた御仁の姿。聞けば、人形には、霊能者や名のある僧侶による祈祷(呪文?)が吹き込まれているのだとか。
ブームの火付け役は、タイで有名な占い師とされるマックス氏。「連れていってほしい」と彼に訴える人形を購入したところ、たちまち運が良くなり、知人の僧侶が祈祷すると、さらに運気が高まったという話題が広がった。
人形保有者は瞬く間に増え、タイの人気タレントのブッコ氏もそのひとり。同氏は、人形に服を買い与え、ご飯を食べさせ(実際には食べないが)、シャワーも浴びせるといった溺愛ぶり。本人が「購入後、幸運が次々に舞い込んだ」と絶賛したことで、人気に拍車をかけた。
いまでは、インターネットで検索すれば、人形を保有するタイの芸能人や著名人の名前が連なる。
気になるお値段はというと、人形の専門フェイスブックページ「バーン・ルーク・テープ」によれば、人形の形状や質によりまちまちで、2000バーツ程度から、高いものは10万バーツもするという(祈祷料込)。ちなみに、人形を持参すれば、祈祷料金1000〜2000バーツだけで済む。こうしたオカルト話を、信じない人もいる。ネット上では販売者に対して「詐欺だ」「ウソだ」と心無い言葉を浴びせる輩も……。後は、信者とそうでない人の水掛け論。傍からみれば「どうぞご勝手に」と思ってしまうのは、編集子だけではないはず。
ブームについて、タイ文化に詳しい事情通は「敬虔な仏教徒の多いタイでは、心霊の類を信じる人が多く、乳児の死体の一部で作った人形を大切にする人もいる」と話す。
つまりは、“信じるか信じないかは、あなた次第”ということで今回は締めくくる。