首都バンコクに住む約25%が糖尿病を発病!?
患者数が拡大する背景には、タイならではの理由があった
29日、ニュースサイト「マティション」が、国際糖尿病連合のマイケル・ハースト会長とスクムパンバンコク都知事がタイの糖尿病について相談したと報じた。
その内容とは、バンコクに住む約25%が糖尿病を発病しており、特に15歳未満の子どもの9%が糖尿病であり、早急な対策が必要というもの。
タイ保健省が2013年に発表した情報によると、タイ人は1年間に平均29・6キログラム、1日あたりティースプーン20杯分の糖分を摂取している。これは、世界的な基準値よりも3倍以上の数字となる。
国際糖尿病連合(IDF)によると、現在、タイの糖尿病人口は約490万人、有病率は成人人口の6・4%に当たる。これは、2013年度の国際比較統計の世界平均8・1%より低い数値ではあるが、糖尿病に関連する死亡者数は、日本の6万4680人に対し、タイは6万6943人と上回っており、成人の総人口に対して非常に多いといえる。
糖尿病の恐ろしい点は、病状が悪化するまで自覚症状がほとんどないこと。発見と治療が遅れた場合、目、腎臓、神経などに障害が起き、動脈硬化など重大な合併症が起こりやすくなる。
タイ糖尿病協会のワンニー・ニティヤーノンタイ会長は、「糖尿病に気づかずに糖分を摂取し続ける人が多い。また、病気が発覚しても医師の指導通りに食生活を改善しないことが、死亡者が減らない原因」と述べている。
冒頭の会談を受けて、バンコク都のピーラポン副事務次官は、都内438校の学校を調査し、標準よりも体重が重い生徒に対して、食事管理や運動指導を行うと話している。
また、タイ保健省は、今後タイ人の健康意識が高まるよう、糖分摂取を控え、野菜や果物を積極的に摂るよう促すキャンペーンを実施していくという。IDF、世界保健機関(WHO)の定める11月14日の「世界糖尿病デー」には、健康診断や糖尿病に関する展示物を病院などに掲示する予定だ。
タイの屋台やレストランの飲み物に含まれる大量の砂糖は、もはやタイの文化的習慣ともいえる。しかし、いつか“甘くないお茶”が当たり前になる日も来るかもしれない。