長引くタイ軍事政権。今、国民が思うことは?
タイ軍事政権が発足し、今月22日で丸4年が経った。プラユット暫定首相の元、国家平和秩序評議会(NCPO)が全権を掌握する中、スアン・ドゥシット・ラチャパット大学の世論調査センター「スアン・ドゥシット・ポール」が15〜19日、全国1346人を対象に世論調査を行った。
アンケート項目は全部で4つ。まず、「4年間におけるNCPOの施策で、何に満足したか」では、1位「暴力的な集会や政治活動などの低減」57%、2位「法の支配による汚職や賄賂などの不正行為、及び麻薬問題などの減少」31%、3位「観光地開発」25%、4位「交通インフラ整備の推進」18%、5位「低所得者への支援」17%という順だった。
一方で「何に失望したか」では、1位「景気低迷による物価上昇」42%、2位「汚職や賄賂の不正行為」34%、3位「問題解決の先延ばし」20%、4位「暫定憲法44条のような超法規的措置の強行」15%、5位「農業製品の下落」13%であった。
そして、幾度と無く先延ばしにされている総選挙について。「来年2月の総選挙に向け、今NCPOに伝えたいこと」では、1位「約束した総選挙を必ず実施し、不正選挙は回避するよう望む」32%、2位「業務への誠実な取り組み」27%、3位「タイ経済の低迷回避」24%、4位「汚職や賄賂の不正行為の撲滅」15%、5位「独断かつ、不公平な行動の断絶」11%。
最後に、「NCPOに点数を付けるとしたら」という項目では10点満点中5点と、どっちつかずの結果が発表された。
1970年代以降のタイ軍事政権の歴史と比較すると、今回の同暫定首相による政権統治は異例とも言える長期間に及んでいる。政権の安定は国内外から賞賛される一方、一部では「国家として、早期民政移管を望む」というコメントが海外諸国から寄せられているのも事実。
国民が望む“真の幸福と平和”が実現するのはいつの日か。行方を見守りたい。