発展途上の観光地が抱える宿命なのか。 ここ10年で環境問題は悪化の一途を辿っている。
ラヨーン県のサメット島は、年間60万人もの人々が訪れるタイ屈指の観光地。島内は国立公園として整備され、遠浅のビーチが連なる理想的な南国リゾートが広がる。
一方で、度々取り沙汰されるのが環境や騒音問題だ。
急増する観光客を受け入れるため、近年ホテルやレストランが乱立。
そこから適切に処理されないままの汚水やゴミが垂れ流され、美しい自然と景観を破壊しているという。
この状況が続けば、観光地としての島の末路は想像に難くない。
今月2日、現状を重く受け止めた公園管理事務所のプラユーン所長は、今後の対策について言及。
それによると、管理事務所では以前より各事業者に廃水処理に関する報告書の提出を義務化。
今後、報告を怠ったり偽装した業者に対し、最大1万Bの罰金や営業停止といった罰則を課すという。
また、毎日5万トン以上のゴミが廃棄され、観光客によるポイ捨ても深刻な状況だ。
予算約9,300万Bを投じ、ごみ処理機や公共のゴミ箱を増設。
来年6月までに改善すると約束した。
さらに、苦情が多い野犬については狂犬病ワクチンの摂取を導入。
サケーオとブリーラムの両県にある保護センターへの移送も行われる。
一方、島では外国人から入島料1名200Bを徴収しているが、ずさんな管理から用途の不透明さが指摘されてきた。
今回の改善計画が実を結び、環境保全と地域発展の両体制が整うことを期待したい。